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関連審決 審判1998-3691
関連ワード 考案 /  考案者 /  補正 /  設定登録 /  進歩性(3条2項) /  きわめて容易 /  先願 /  請求項 /  容易に想到 /  先願 /  特定 /  明細書 /  請求の範囲 / 
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事件 平成 12年 (行ケ) 188号 審決取消請求事件
原告 王子製紙株式会社代表者代表取締役 A
原告 東洋ファイバー株式会社代表者代表取締役 B
両名訴訟代理人弁護士 朝倉正幸
被告 特許庁長官C
指定代理人 D
同 E
同 F
同 G
裁判所 東京高等裁判所
判決言渡日 2001/03/21
権利種別 実用新案権
訴訟類型 行政訴訟
主文 原告らの請求を棄却する。
訴訟費用は原告らの負担とする。
事実及び理由
当事者の求めた裁判
1 原告ら 特許庁が平成10年審判第3691号事件について平成12年3月7日にした審決を取り消す。
訴訟費用は被告の負担とする。
2 被告 主文と同旨
当事者間に争いのない事実
1 特許庁における手続の経緯 本州製紙株式会社及び原告東洋ファイバー株式会社(以下「原告東洋ファイバー」という。)は、平成3年9月12日、名称を「バルカナイズドファイバー歯付カートン」とする考案につき実用新案登録出願をし(実願平3-81640号)、原告王子製紙株式会社は、平成8年12月24日、本州製紙株式会社を合併したが、平成10年2月10日に拒絶査定を受けたので、同年3月12日、これに対する不服の審判の請求をした。
特許庁は、同請求を平成10年審判第3691号事件として審理した上、平成12年3月7日に「本件審判の請求は、成り立たない。」との審決をし、その謄本は同年5月1日原告らに送達された。
2 平成9年3月10日付け及び平成11年7月21日付け各手続補正書により補正された明細書(以下「本件明細書」という。)の実用新案登録請求の範囲請求項1に記載された考案(以下「本願考案」という。)の要旨 一枚の板紙により底板、前面板、背面板及び妻板とからなる本体と、本体の開口を覆う蓋体とを一体に形成してなるカートンに、該カートンとは別体のバルカナイズドファイバーの耐水加工品からなる切歯を接着して成るバルカナイズドファイバー歯付カートン。
3 審決の理由 審決は、別添審決謄本写し記載のとおり、本願考案が、実願昭54-101382号(実開昭56-20786号)のマイクロフィルム(本訴甲第4号証、以下「引用例1」という。)、特開平1-267153号公報(本訴甲第5号証、以下「引用例2」という。)及び昭和43年1月10日共立出版株式会社発行の「化学大辞典7」縮刷版第4刷193頁(本訴甲第6号証、以下「引用例3」という。)に記載された考案に基づいて、当業者がきわめて容易考案をすることができたものであるから、実用新案法3条2項の規定により実用新案登録を受けることができないとした。
原告ら主張の審決取消事由
1 審決は、本願考案と引用例1記載の考案(以下「引用考案」という。)との相違点(2)についての判断を誤った(取消事由)結果、本願考案が、引用例1〜3記載の各考案に基づいて当業者がきわめて容易考案をすることができたとの誤った結論に至ったものであるから、違法として取り消されるべきである。
2 取消事由 (1) 審決は、本願考案と引用考案との相違点(2)として、「切り歯の材質に対して、本願考案は、カートンとは別体のバルカナイズドファイバーの耐水加工品からなるのに対して、引用考案は、紙または合成紙からなるとしている点」(審決謄本3頁15行目〜17行目)を挙げた上、この相違点(2)についての判断において、引用例1には「採用される紙がより硬いものであれば、鋸刃としての機能性により優れたものとなることが示唆されているものと認められる」(同3頁29行目〜30行目)との認定に基づいて、「そうであるとすると、引用例3にも開示されるように、バルカナイズドファイバーが、硬質耐水性の紙であることは、本願出願前周知の事項であるから、当業者であれば、引用考案の紙に代えて、より硬質のバルカナイズドファイバーを採用しようと試みることは、きわめて容易に予測し得るものと言える。そして、本願考案は、引用考案および引用例2、3に記載される考案から予想される以上の作用効果を奏するものとも認められない」(同3頁30行目〜36行目)、「審判請求人(注、原告ら)は、バルカナイズドファイバーを鋸歯として採用するものは、本願出願前全く存在しないばかりか、その作用効果も、その機能面及び物性面からみて、引用考案の紙質硬化手段が施された紙製鋸歯と比べて格段の差異がある旨主張する。しかしながら・・・引用考案における紙質硬化手段が施された紙製鋸歯に代えて、周知の硬質耐水性の紙であるバルカナイズドファイバーを採用して本願考案のように構成することは、上記の通り当業者にとって格別予想困難性あるものとは認められない。また、その奏する作用効果も、周知のバルカナイズドファイバーを採用したことにより生ずるものであり、格別のものではない」(同3頁37行行目〜4頁9行目)とするが、以下に述べるとおり、誤りである。
(2) まず、引用例1(甲第4号証)には、「樹脂ラテックス・パラフィン等を刃先となる部分に塗布しておくと、紙質が硬化して刃先の折曲りを防ぐことができる」(明細書6頁13行目〜15行目)との記載はあるが、この記載は、刃先部分のみに樹脂エマルジョンなどを塗布又は含浸させれば硬化して折れ曲がりを防ぎ得ると開示しているだけで、他の硬化手段や鋸刃全体の硬化手段については何らの記載もない。「刃先」という記載を広く解したとしても、せいぜい刃先の根本部まで樹脂を含浸するということが想定されるだけであり、紙そのものを別の材料に置き換えることまで示唆するものではない。このことは、別体で鋸刃を設ける場合であっても異なるものではない。
したがって、「採用される紙がより硬いものであれば、鋸刃としての機能性により優れたものとなることが示唆されている」との審決の前記認定は誤りというべきである。
(3) 本願考案のバルカナイズドファイバー製切歯は、以下のとおり、引用例1、2記載の各考案の紙製鋸刃と切歯とは異質のものであり、格別の差異がある。
第一に、紙に樹脂エマルジョンなどを塗布又は含浸させたとしても、その樹脂は絡み合った繊維それ自体若しくは繊維の間に存在する空隙に入り込むだけで、紙そのものを改質するものではない。これに対し、バルカナイズドファイバーは、出発原料がパルプ繊維である点では共通性があるものの、原紙を塩化亜鉛溶液に浸漬してセルロース自身をコウ(膠)化して繊維間を接着したのち、完全に水洗して乾燥するか、あるいはコウ化したものを数枚重ねで水洗し、濡れているうちに圧着して乾燥したもので、化学的純度、セルロースの重合度等において紙とは比較にならない異質の製品となる。引用例3は、バルカナイズドファイバーが工業材料や頑丈な容器としての用途に使用可能であることを示しているものの、バルカナイズドファイバーを食品用ラップフィルムの切歯に使用することについては何も示しておらず、示唆も与えていない。バルカナイズドファイバーを食品用ラップフィルムの切歯に使用するとの発想は、当業者の間ではむしろ突飛なものである。
第二に、食品用ラップフィルムを切断する場合、刃先のフィルムヘの食い込み、曲がり及び復元という三つの動作が繰り返されるから、鋸刃には、ラップフィルムを使い切るまでこれらの動作を維持して切れ味が劣化しないだけの性質を兼ね備える必要がある。単に硬いだけでなく、繰り返しの曲げにも強く、ある程度しなって復元するバルカナイズドファイバーは、こうした特性を保持し、紙とは質的に異なる性質を有している。本願考案は、バルカナイズドファイバーを、従来知られている工業材料としての用途(歯車や工具入れなどの用途)から発想を転換して、従来では連想し難い食品用ラップフィルムの切歯に用いるという新規用途を開拓したものであり、その技術的意義は大きい。
第三に、バルカナイズドファイバーを食品用ラップフィルムの切歯として使用することによって、従来の金属歯に匹敵する耐久性を有するとともに、紙製鋸刃には到底期待できないほどの切れ味を発揮し、また、ゴミ処理に当たっても焼却処理を可能とする等の格段の効果を発揮することができる。なお、紙の場合、たとえ刃先から硬化用の樹脂を含浸させたとしても、鋸刃それ自体が繊維の絡み合いから成り立っているという本来の構成が変るものではないから、この刃先を使って何回かフィルムを切断していくと、その刃先が曲がったまま復元せず、繰り返して曲げ応力が加わると、刃先が根元からぜい弱化して、ついには折れてしまい、鋸刃の用をなさなくなるという致命的な欠陥がある。このことは、原告東洋ファイバーの技術者作成の平成9年3月6日付け「ラッピングフィルム切断用鋸歯刃についての比較実験報告書」(甲7号証)の記載からも明らかである。
(4) 本願考案の後願で、本願考案と実質的に同一といえる発明が特許を受けている。すなわち、特許第3034691号(平成4年5月8日出願、平成12年2月18日設定登録)特許公報(甲第9号証)の特許請求の範囲請求項1には、
「厚さが0.2〜0.5oの範囲で、ロックウエル硬度90〜120を有する硬質の紙からなり、一辺に打抜形成された鋸刃状部分を有することを特徴とするカッター」とあり、同請求項2には「硬質の紙がバルカナイズドファイバーであることを特徴とする請求項1記載のカッター」と記載されている。なお、バルカナイズドファイバーのロックウエル硬度は90〜110とするのが一般的であり(甲第10号証の2)、甲第9号証記載の発明で規定される硬度もその域を出るものでない。上記のとおり、後願である甲第9号証記載の発明に進歩性を認めた特許庁の判断からすれば、先願である本願考案進歩性があると判断してしかるべきである。
被告の反論
1 審決の認定判断は正当であり、原告ら主張の取消事由は理由がない。
2 取消事由について (1) 原告らは、引用例1には、刃先部分のみの硬化しか記載がない旨主張するが、引用例1における紙質硬化の目的は、折れ曲がりを防ぐことで鋸刃の切断機能を高めることにあるところ、別体で鋸刃を設けた場合には、刃先以外の部分(すなわち根本部分)も折れ曲がる可能性があることは当業者にとって明らかであるから、折れ曲がりを防ぐことで鋸刃としての機能性を高めることが記載されている以上、引用例1には、別体で鋸刃を設けた場合に、鋸刃に採用される紙がより硬いものであれば、鋸刃としての機能性がより優れたものとなることが示唆されているというべきである。
(2) バルカナイズドファイバー自体については、耐摩耗性、耐衝撃性に優れた材料としてよく知られており、曲げ加工も可能で、耐熱性もあるので、歯車や研磨ディスクなどの工業材料、電気絶縁体等として広く使用されている。そして、歯車として使用されていることからも明らかなように、金属材料に置き換えて使用されることも多い。しかも、容器、スーツケースに用いられているように、バルカナイズドファイバーは専ら工業材料に使用されるものではなく、金属、合成樹脂に匹敵する硬度、弾性及び強度を有するものとして、多くの分野で用いられてきたものである。
引用例1には、食品用ラップフィルムの鋸刃(切歯)に、金属に代えて紙を使用することが開示され、かつ、機能性向上の観点からより硬くすることが望ましいことが示唆されているのであるから、硬度及び強度が高いことがよく知られた周知の紙材料の一つであるバルカナイズドファイバーを切歯に採用した点に格別の困難があったとはいえない。
原告らは、本願考案の格別の効果として、従来の金属歯に匹敵する耐久性を有するとともに、紙製鋸刃には到底期待できないほどの切れ味を発揮し、繰り返しの曲げにも強く、切れ味が劣化しない特性を保持している旨主張するが、バルカナイズドファイバーが通常の紙とは比較にならないほどの耐熱性、耐摩耗性、耐衝撃性に優れ、金属に匹敵する程の頑丈さを有していることは、これまでに広く知られた事実であり、原告らの上記主張は単にこのことを述べているにすぎない。また、焼却処理可能となる旨の主張についても、紙原料製品であることから当然期待できるものにすぎない。
(3) 甲第9号証の特許請求の範囲請求項1に係る発明は、その補正箇所から判断して、硬質の紙の厚みを「0.2〜0.5oの範囲」に特定し、かつ、硬さを「ロックウェル硬度90〜120」に特定した点に特許性ありと認められたものである。したがって、同発明を本件考案と実質的に同一ということはできず、甲第9号証記載の発明が特許されているから本願考案も登録されるべきものであるとする原告らの主張は失当である。
当裁判所の判断
1 取消事由について (1) 原告らは、引用例1は、刃先部分のみに樹脂を塗布又は含浸させれば硬化して折れ曲がりを防ぐことを開示しているだけで、紙そのものを別の材料に置き換えることまで示唆するものではない旨主張する。
しかし、引用例1(甲第4号証)には、実用新案登録請求の範囲として、
「ラップフィルム容器(1)に装着されたフィルム切断用鋸刃(2)において、紙または合成紙を材質として、刃山(5)の角度(a)が直角を含む鋭角を成し、刃山(5)の高さ(h)が3mm以上、刃のピッチ(p)が2〜20mmに形成されていることを特徴とするラップフィルム切断用鋸刃」との記載があり、また、考案の詳細な説明として、「本考案者らは従来の金属製鋸刃2を紙に代え先ず安全性を確保したのちこれに種々のアイデアを加えフィルム4切断の実験をくりかえした結果、刃山5の角度aを好ましくは直角から30度、刃山5の高さhを3mm以上に形成すると、ポリエチレンフィルムが伸びによって刃山5の底6に密着するまでに完全に各刃山5がフィルムに傷を与えることを知った」(明細書4頁末行〜5頁7行目)との記載があるから、これに第1図(ラップフィルム容器の斜視図)及び第2図(鋸刃の一部拡大図)の図示を総合すれば、従来の金属製鋸刃に代えて「紙又は合成紙」で鋸刃を作成することが引用考案の基本的な着想であることが認められる。そして、引用例1には、「鋸刃2を別に作って容器1のフィルムを切断し易い位置に取付てもよい」(同6頁7行目〜8行目)との記載もあるから、鋸刃の全体(従来の金属製鋸刃に相当する部分)を、カートンとは別体の紙又は合成紙で形成することが開示されているということができる。
さらに、引用例1には、原告ら主張のように、「樹脂ラテックス・パラフィン等を刃先となる部分に塗布しておくと、紙質が硬化して刃先の折曲りを防ぐことができる」(同6頁13行目〜15行目)との記載もあるところ、この記載自体、直接には刃先部分だけの硬化をいうものであるにせよ、上記のとおり、本願考案の基本的な着想が「鋸刃」を金属の代替物としての「紙又は合成紙」から作成するというものであること、その場合の「鋸刃」とは、刃先部分だけに限定されるものではなく、鋸刃全体を意味することを併せ考えれば、カートンとは別体に形成される鋸刃において採用される「紙又は合成紙」を一般の紙よりも硬いものとすることによって、折れ曲がりを防ぐことができることが示唆されているということができる。
(2) 他方、引用例3(甲第6号証)は、バルカナイズドファイバーについて「塩化亜鉛で処理してつくった硬質耐水性の紙または板紙。硬化繊維バルカナイズド紙、バルカナイズド板紙などともいう。」、「用途 電気絶縁に使い、また歯車、スーツケースその他の容器に加工する。」と記載しており、この記載によれば、バルカナイズドファイバーは「紙又は合成紙」との概念に含まれるか、そうでなくとも、硬化処理のされた合成紙とごく近い種類の素材であると認められる。
この点について、原告らは、バルカナイズドファイバーと紙に樹脂エマルジョンなどを塗布又は含浸させたものとは化学的純度、セルロースの重合度等において比較にならない異質なものである旨主張するが、引用例1は「紙又は合成紙」一般について記載するものであって、樹脂の塗布による硬化は硬化手段の一つとして例示しているにすぎず、それ以外の硬化手段や硬質特性を有する紙又は合成紙を何ら排除するものではないから、単に樹脂を塗布しただけの紙とバルカナイズドファイバーを比較してその異質性をいう原告らの主張は失当というべきである。
かえって、バルカナイズドファイバーは、上記のように、歯車としての用途が示されているとおり、金属材料に置き換えて使用されることも広く知られている素材であるから、引用例1と引用例3の各記載に接した当業者であれば、従来のラップフィルム切断用の金属製鋸刃に代える「紙又は合成紙」製の鋸刃の材料として、周知のバルカナイズドファイバーを採用することはきわめて容易に想到することができると認められる。
(3) 原告らは、引用例3は、バルカナイズドファイバーが工業材料等の用途に使用可能であることを示しているものの、食品用ラップフィルムの切歯に使用することについては何も示していない旨主張するが、引用例1において、鋸刃において採用される「紙又は合成紙」を一般の紙よりも硬いものとすることによって折れ曲がりを防ぐことができるとの技術事項が示唆されていることは前示のとおりであるから、引用例3自体に原告ら主張のような示唆がないとしても、引用考案に引用例3記載のバルカナイズドファイバーを組み合わせる動機づけとしては、引用例1の上記示唆で十分というべきである。
また、原告らは、本願考案は、バルカナイズドファイバーについて食品用ラップフィルムの切歯に用いるという新規用途を開拓したものである旨主張するが、引用例1記載の考案に引用例3記載のバルカナイズドファイバーを組み合わせることがきわめて容易である以上、原告らの上記主張は採用することができない。
さらに、原告らは、本願考案の耐久性、切れ味等に係る格別の効果を主張し、その裏付けとして甲第7号証の比較実験報告書を提出する。しかし、バルカナイズドファイバーの公知の特性である硬質性等(甲第6号証)に照らせば、単に樹脂を含漬させたにすぎない紙とバルカナイズドファイバーとで切歯としての機能性に上記実験報告書に示すような差異が生ずるのはむしろ当然であって、切歯として紙又は合成紙に代えてバルカナイズドファイバーを用いる構成から当然に得られる予測可能な効果にすぎないというべきである。また、従来の金属製鋸刃であれ、紙製鋸刃であれ、食品用ラップフィルムを切断する製品として採用する以上、繰り返しの曲げに耐えて、ラップフィルムを使い切るまで切れ味を保持する性質を備える必要のあることは当然であり、原告らの上記主張は採用することができない。
(4) 原告らは、本願考案と実質的に同一内容の後願が甲第9号証の特許請求の範囲請求項1及び2に係る発明として特許を受けていることから、先願の本願考案進歩性も否定されるべきでない旨主張するが、本件において、本願考案進歩性の判断は引用例1〜3記載の考案との対比において判断されるべきものであり、
原告ら主張の上記特許の存在がその判断を左右するものではない。
2 以上のとおり、原告ら主張の審決取消事由は理由がなく、他に審決を取り消すべき瑕疵は見当たらない。
よって、原告らの請求は理由がないから棄却することとし、訴訟費用の負担につき行政事件訴訟法7条、民事訴訟法61条65条1項本文を適用して、主文のとおり判決する。
裁判長裁判官 篠原勝美
裁判官 長沢幸男
裁判官 宮坂昌利