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審判番号(事件番号) データベース 権利
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関連ワード 考案 /  考案者 /  構造 /  設定登録 /  新規性(3条1項) /  共同出願 /  先願 /  先行技術 /  冒認(冒認出願) /  訴えの利益 /  先願 /  明細書 / 
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事件 平成 19年 (ワ) 1623号 実用新案権確認請求事件
静岡県浜松市<以下略>
反訴原告株式会社テクニカルサポート
訴訟代理人弁護 士藤田雅弘静岡県浜松市<以下略>
反訴被告日 静機装株式会社
訴訟代理人弁護 士長野哲久
補佐人弁理 士加藤道幸
裁判所 東京地方裁判所
判決言渡日 2007/07/26
権利種別 実用新案権
訴訟類型 民事訴訟
主文 1反訴原告の請求を棄却する。
2訴訟費用は反訴原告の負担とする。
事実及び理由
全容
第1請求反訴被告は,反訴原告に対し,別紙目録記載の実用新案権について,反訴原告の共有持分を2分の1とする共有持分権移転登録手続をせよ。
第2事案の概要等本件は,反訴原告が,反訴被告に対し,反訴原告と反訴被告は,別紙目録記(「」,「」, 載の実用新案権 以下 本件実用新案権 といい その考案を 本件実用新案その登録を「本件実用新案登録」という )について,本件実用新案の登録出 。
願は反訴原告及び反訴被告共同で行い,本件実用新案権は各持分2分の1で反訴原告及び反訴被告の共有とする旨の合意があったにもかかわらず,反訴被告は,反訴原告の知らぬ間に単独で出願し,単独名義で登録したと主張して,反訴原告の共有持分を2分の1とする共有持分権移転登録手続をすることを求めた事案である。
1前提となる事実(当事者間に争いのない事実,顕著な事実,該当箇所末尾掲記の各証拠及び弁論の全趣旨により認められる事実)( )本件実用新案登録に至るまでの経緯(甲4,5,6,14,乙18)1反訴被告は,平成15年ころ,訴外住岡食品株式会社(以下「住岡食品」という )から,粉粒体移送について便利な装置はないかと相談を受け,こ 。
れを反訴原告代表者であるAに相談し,粉粒体移送装置(以下「本件装置」という )の開発に着手することとした(甲6,14,乙18 。 。 )その後,反訴原告及び訴外ティーエスラボ有限会社(以下「ティーエスラボ」という。その代表者はAである )において,先行技術の調査,開発, 。
構造模型(デモ機)の製作等を行い,平成17年2月ころ,実用機が完成した(甲14,乙18 。)反訴被告は,平成17年4月20日,ティーエスラボから,本件装置の試作機及び実用機の製作費として,565万4250円の請求を受け,同年5月31日,これを支払った(甲4,5 。反訴原告及びティーエスラボは, ), 。 反訴被告に対し 上記以外に本件装置の開発に関する費用を請求していないなお,本件装置の上記実用機については,平成17年6月,住岡食品においてテストが行われたものの,不具合が生じ,結局現在に至るまで住岡食品に納入されていない(甲14 。)( )本件実用新案登録(甲1,2,9)2,, , 反訴被告は 弁理士Bに対し 本件実用新案の出願明細書の作成を依頼しその作成過程で,同弁理士を通じ,反訴原告から本件実用新案の登録出願に必要なデータの送付を受け,同弁理士が作成した出願明細書の内容も確認した上で,平成17年10月6日,本件実用新案について,反訴被告を実用新案登録出願人,Aを考案者,同弁理士を出願代理人として,本件実用新案の登録出願をし,同年12月14日,その登録を得た。
( )その後の経過3反訴被告は,その後,反訴原告及びAに対し,反訴被告が本件実用新案権を有することの確認を求めて訴えを提起し(当庁平成18年(ワ)第20153号 ,他方,反訴原告及びAは,反訴被告に対し,反訴原告が本件実用新 )案権につき2分の1の共有持分権を有することの確認を求めて本件反訴を提起した。その後,反訴被告及びAは,各訴えを取下げ,反訴原告は本件反訴請求の趣旨を第1記載のものに変更した(当裁判所に顕著な事実 。)2争点反訴原告の本件実用新案権の共有持分権移転登録請求は認められるか。
第3争点に関する当事者の主張〔反訴原告の主張〕本件装置及びそれにかかる本件実用新案については,反訴被告には装置開発の技術も経験も工場も機械設備も全くなかったことから,もっぱら反訴原告及びティーエスラボが共同して開発したものである。反訴原告と反訴被告は,本件装置の開発中であった平成16年ころ,双方の代表者が口頭で,本件実用新案については反訴原告と反訴被告が各共有持分を2分の1として共同出願をすることを合意し,さらに,Aが,平成17年8月29日に反訴被告を訪ねた折に,反訴被告社員であるCとの間で,本件実用新案について共同出願すること。 , , を確認した 反訴原告ないしティーエスラボが 本件装置の開発費用について反訴被告に対し,第2の1( )記載のもののほかに請求をしなかったのは,本1件実用新案権を共有とすることが前提となっていたためである。
それにもかかわらず,反訴被告は,反訴原告の知らぬ間に,本件実用新案について単独名義で出願し,その登録を得たものである。
したがって,本件実用新案権について,反訴原告と反訴被告が共有すべきものであることは明らかであり,各共有持分は,上記反訴原告及び反訴被告の合意又は民法250条に基づき,各2分の1である。
〔反訴被告の主張〕反訴原告の主張を否認する。反訴原告と反訴被告は,本件実用新案権を共有とする旨合意していないし,また,反訴被告は,開発費用に残余部分があるなどと聞いていない。反訴原告は,反訴被告から注文を受け,開発を含めてデモ機と実用機を製造したいわゆる請負人であって,反訴被告が行った開発費の支払いは請負代金の支払いである。むしろ,反訴原告は,反訴被告が本件実用新案について単独で出願することを事前に承知していたもので,反訴被告は,出願後にも,反訴原告に対し,単独で出願したことを伝えていた。
第4当裁判所の判断1( )反訴原告の主張は,要するに,反訴被告は,本件実用新案登録を受ける1権利について,2分の1の共有持分を有していたにすぎず,単独で本件実用新案登録を受ける権利を有していなかったにもかかわらず,いわゆる冒認出願により単独でその登録を受けたというものである。
( )実用新案法(以下「法」という )は,考案者がその考案について実用2 。
新案登録を受ける権利を有するとし(法3条1項柱書 ,また,冒認出願は)先願としては認めず(法7条6項 ,冒認出願者に対して実用新案登録がさ )れた場合,その冒認出願は無効理由となる(法37条1項5号)と規定している。また,法は,考案者冒認出願者に対して実用新案権の移転登録手続請求権を有する旨の規定をおいていない そして 実用新案権は 出願人 登 。,,(録後は登録名義人となる )を権利者として,実用新案権の設定登録により 。
発生するものであり(法14条1項 ,たとえ考案者であったとしても,自 )己の名義で実用新案登録の出願をしその登録を得なければ,実用新案権を取得することはない。このような法の構造にかんがみれば,法は,実用新案権の登録が冒認出願によるものである場合,実用新案登録出願をしていない考案者に対し実用新案登録をすることを認める結果となること,すなわち,考案者から冒認出願者に対する実用新案権の移転登録手続請求をすることを認めているものではないと解される。
, ( )上記のような法の構造と同様の構造をもつ特許法に関する事案において3特許を受ける権利の共有者(真の権利者)から,特許権者(当該特許権に関する登録名義人)に対する移転登録手続請求を認めた最高裁判決(最高裁平成13年6月12日第三小法廷判決・民集55巻4号793ページ)は,次に述べる理由により,本件のような事案についてその射程が及ぶものではないと解される。
すなわち,上記最高裁判決における事案は,真の権利者が他の共有者と共同で特許出願をした後に,冒認出願者が,真の権利者から権利の持分の譲渡を受けた旨の偽造した譲渡証書を添付して,出願者を真の権利者から冒認出願者に変更する旨の出願人変更届を特許庁長官に提出したため,冒認出願者及び他の共有者に対して特許権の設定登録がされたという事案である。このような事案においては,真の権利者から冒認出願者に対する特許権の共有持分移転登録手続請求を認めたとしても,当該特許権は,真の権利者がした特許出願について特許法所定の手続を経て設定登録がされたものであって,真の権利者が有していた特許を受ける権利と連続性を有し,それが変形したものであると評価することができるから,真の権利者が行った特許出願に対して特許がされたとみることができ,特許法の構造と整合性を欠くことにはならない。これに対し,本件は,真の権利者と主張する反訴原告自身は実用新案登録出願を行っていないのであるから,このような自ら出願手続を行っていない者に対し実用新案権を付与する結果を導くことは,( )記載のような2法の構造に反するものである。したがって,本件における反訴原告による本件実用新案権の共有持分権移転登録請求については,上記最高裁判決の射程は及ばないといわざるを得ない。
2以上によれば,本件と上記最高裁判決とは事案を異にするから,本件の反訴原告については,本件実用新案権の共有持分権移転登録請求を認めることはできないというべきである(なお,反訴原告の変更前の訴えである,本件実用新案権の共有持分権を有することの確認を求める訴えについても,確認の訴えの利益の存否の問題が付加されることを除けば,本件の持分権移転登録請求と同様の理由により,反訴原告の請求を認めることはできない。。)第5結論以上の次第で,反訴原告の請求は,その余の点について判断するまでもなく理由がないからこれを棄却することとし,主文のとおり判決する。
裁判長裁判官 設樂隆一
裁判官 間史恵
裁判官 古庄研
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