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関連審決 異議2002-72190
関連ワード 考案 /  図面 /  組合せ /  設定登録 /  進歩性(3条2項) /  きわめて容易 /  削除 /  請求項 /  実施例 /  容易に想到 /  転用 /  特定 /  明細書 /  請求の範囲 / 
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事件 平成 16年 (行ケ) 111号 実用新案登録取消決定取消請求事件
原告A
訴訟代理人弁理士 中山清
同 下田容一郎
被告 特許庁長官小川洋
指定代理人 藤井靖子
同 中村和夫
同 小曳満昭
同 伊藤三男
裁判所 東京高等裁判所
判決言渡日 2005/03/10
権利種別 実用新案権
訴訟類型 行政訴訟
主文 原告の請求を棄却する。
訴訟費用は原告の負担とする。
事実及び理由
請求
特許庁が異議2002-72190号事件について平成16年2月9日にした決定を取り消す。
当事者間に争いのない事実
1 特許庁における手続の経緯 原告は,名称を「三つ折りシークレットはがき」とする実用新案登録第2607691号考案(平成5年10月17日出願,平成13年11月30日設定登録,以下,この実用新案登録を「本件実用新案登録」という。)に係る実用新案権者である。
その後,本件実用新案登録につき実用新案登録異議の申立てがされ,同申立ては,異議2002-72190号事件として特許庁に係属したところ,原告は,平成15年12月1日,願書に添付した明細書の実用新案登録請求の範囲の記載等の訂正(以下「本件訂正」といい,本件訂正に係る明細書を,願書に添付した図面と併せて「本件明細書」という。)を請求した。特許庁は,上記事件につき審理した結果,平成16年2月9日,「訂正を認める。登録第2607691号の請求項1ないし3に係る実用新案登録を取り消す。」との決定をし,その謄本は,同年3月1日,原告に送達された。
2 本件明細書の実用新案登録請求の範囲の【請求項1】〜【請求項3】記載の考案の要旨 【請求項1】「郵便はがき」又は「POST CARD」の文字(4)を表面に記載したはがき本体(1)の両端に該両端縁を折れ線として断面Z字状に折り畳んで剥離可能な接着で密着する表面添付物(2)及び裏面添付物(3)を連接し,「郵便はがき」又は「POST CARD」の文字を上記裏面添付物と連接する上記はがき本体の側端部に記載し,上記表面添付物を長辺の長さが上記はがき本体の長辺の長さと同じ長さであり短辺の長さが上記はがき本体に密着した後も「郵便はがき」又は「POST CARD」の文字が読み取れる長さに形成し,上記はがき本体並びに両端辺に連接する上記表面添付物及び裏面添付物が全体で1つの長方形を形成し,上記表面添付物は上記はがき本体に密着したとき「郵便はがき」又は「POST CARD」の表記面に現れる面に料額印面(6)を設けると共に当該面を宛名記載面とし,上記はがき本体の表面に上記表面添付物を密着すると共に裏面に上記裏面添付物を密着して当該はがき本体の表面側端部に「郵便はがき」又は「POST CARD」の文字が表記されることを特徴とする三つ折りシークレットはがき。
請求項2】「郵便はがき」又は「POST CARD」の文字(4)を表面に記載したはがき本体(1)の両端に該両端縁を折れ線として断面Z字状に折り畳んで剥離可能な接着で密着する表面添付物(2)及び裏面添付物(3)を連接し,「郵便はがき」又は「POST CARD」の文字を上記はがき本体の上端部に記載し,上記表面添付物を上記はがき本体の形状から「郵便はがき」又は「POST CARD」の文字の表記部分を除いた形状として上記はがき本体の表面に密着したとき当該「郵便はがき」又は「POST CARD」の文字が読み取れるように形成し,上記表面添付物は上記はがき本体の表面に密着したとき「郵便はがき」又は「POST CARD」の表記面に現れる面に料額印面(6)を設けると共に当該面を宛名記載面とし,上記はがき本体の表面に上記表面添付物を密着すると共に裏面に上記裏面添付物を密着して当該はがき本体の表面上端部に「郵便はがき」 又は「POST CARD」の文字が表記されることを特徴とする三つ折りシークレットはがき。
請求項3】「郵便はがき」又は「POST CARD」の文字(4)を表面に記載したはがき本体(1)の両端に該両端縁を折れ線として断面Z字状に折り畳んで剥離可能な接着で密着する表面添付物(2)及び裏面添付物(3)を連接し,「郵便はがき」又は「POST CARD」の文字を上記裏面添付物と連接する上記はがき本体の側端部又は上端部に記載し,上記表面添付物は上記はがき本体に記載した「郵便はがき」又は「POST CARD」の文字(4)が読み取れる孔(5)を設けて上記はがき本体の表面に密着したとき当該「郵便はがき」又は「POST CARD」の文字が読み取れるように形成し,上記表面添付物は上記はがき本体の表面に密着したとき「郵便はがき」又は「POST CARD」の表記面に現れる面に料額印面(6)を設けると共に当該面を宛名記載面とし,上記はがき本体の表面に上記表面添付物を密着すると共に裏面に上記裏面添付物を密着して当該はがき本体の表面に記載した「郵便はがき」又は「POST CARD」の文字が上記孔を介して表記されることを特徴とする三つ折りシークレットはがき。
(以下,上記【請求項1】〜【請求項3】に係る考案を,「本件考案1」〜「本件考案3」という。) 3 決定の理由 決定は,別添決定謄本写し記載のとおり,本件訂正を認めた上,本件考案1〜3は,いずれも,実願平3-29975号(実開平4-117782号)のマイクロフィルム(本訴甲5,以下「刊行物1」という。),特開平3-104697号公報(本訴甲6,以下「刊行物2」という。)及び周知事項に基づいて,当業者がきわめて容易に行い得たものであるから,実用新案法3条2項の規定により実用新案登録を受けることができず,本件考案1〜3についての実用新案登録は,拒絶の査定をしなければならない実用新案登録出願に対してされたものであり,特許法等の一部を改正する法律の施行に伴う経過措置を定める政令(平成7年政令第205号)3条2項の規定により,取り消されるべきであるとした。
原告主張の決定取消事由
決定は,本件考案1と刊行物1記載の考案(以下「引用考案」という。)との相違点イ〜ハに関する判断を誤り(取消事由1〜3),本件考案2,3と引用考案との各相違点に関する判断を誤り(取消事由4),さらには,本件考案1〜3の顕著な作用効果を看過した(取消事由5)結果,本件考案1〜3は,当業者がきわめて容易に行い得たものであるとの誤った結論に至ったものであるから,違法として取り消されるべきである。
1 取消事由1(本件考案1に係る相違点イに関する判断の誤り) (1) 決定は,本件考案1と引用考案との相違点イとして認定した,「全体で1つの長方形を形成するシークレットはがきが,前者1(注,本件考案1)では,はがき本体(1)の両端に該両端縁を折れ線とし表面添付物(2)及び裏面添付物(3)を連接し,断面Z字状に折り畳んで三つ折りにされるのに対し,後者(注,引用考案)では,裏面添付物を連接しておらず,はがき本体の1端に表面添付物を連接し,二つ折りにされる点」(決定謄本10頁第3段落)について,「はがき本体に裏面添付物を連接し,裏面添付物をはがき本体の端縁を折れ線として裏面に折り返し,剥離可能な接着で密着するシークレットはがきは・・・従来から周知である。また,シークレットはがきにおいて,断面Z字状に折り畳んだ三つ折りのものも,従来から周知・・・であり,しかも,葉書の表面及び裏面に添付物を貼付することは禁止されておらず(郵便規則第16条,内国郵便約款第25条第2項),はがきの表面及び裏面に添付物を貼付することが行われている・・・ことを勘案すると,後者に従来から周知のはがき本体に裏面添付物を貼付する技術を組み合わせて,はがき本体の折り畳み線Lと反対側の端縁に裏面添付物を連接し,断面Z字状に折り畳んだ三つ折りとすることは当業者ならばきわめて容易に想到し得るものであって格別なものとは認められない」(同頁最終段落〜11頁第1段落)と判断したが,誤りである。 (2) 決定は,「はがき本体に裏面添付物を連接したシークレットはがき」が周知であるとし,周知例として,実願平1-148118号(実開平3-87279号)のマイクロフィルム(決定における「刊行物3-1」,本訴甲7,以下「甲7マイクロフィルム」という。),特開昭64-16692号公報(決定における「刊行物3-2」,本訴甲8,以下「甲8公報」という。)及び実願平2-66333号(実開平4-24387号)のマイクロフィルム(決定における「刊行物3-3」,本訴甲9,以下「甲9マイクロフィルム」という。)を引用する。
しかしながら,@甲7マイクロフィルム記載のものは,葉書用紙1の裏側に隠蔽情報表示部3を設け,この隠蔽情報表示部3を葉書用紙1に連接した隠蔽片5を折り畳んで貼付したものであり,葉書本体の裏面に貼付する添付物を葉書用紙に連接しているが,葉書用紙が三つ折りにされるものではなく,A甲8公報記載のものは,シート材1が二つ折りにされる4面貼合せの葉書に関するものであって,裏面添付物に相当する部材が郵便葉書文字3を記載した用紙の裏面に貼付されるものではあるが,シート材1は三つ折りにされるものではなく,B甲9マイクロフィルム記載のものは,本体10の両側に本体の約半分の幅の折返し片11,12を設け,折返し片11,12を本体10の裏側に貼付するものであり,裏面添付物に相当するとみられる添付物が本体の裏面に貼付されているだけであるから,甲7マイクロフィルム,甲8公報及び甲9マイクロフィルムに記載された周知技術は,いずれも,本件考案1の6面貼合せの葉書に転用することができるものではない。
(3) また,決定は,「シークレットはがきにおいて,断面Z字状に折り畳んだ三つ折りのものも,従来から周知」であるとし,周知例として,刊行物1(甲5)の図5に示された第3実施例,実願平2-65791号(実開平4-24386号)のマイクロフィルム(甲10,以下「甲10マイクロフィルム」という。),刊行物2(甲6)の1頁右下欄最終行,実開平4-67081号公報(甲11,以下「甲11公報」という。)の第3図,特開平4-126786号公報(甲12,以下「甲12公報」という。),特開平5-4474号公報(甲13,以下「甲13公報」という。)を引用する。
しかしながら,以下のとおり,上記各周知例に記載された技術的事項は,いずれも,本件考案1に転用することができるものではない。
ア 刊行物1の図5に示された第3実施例は,紙片10’が葉書本体に相当するものであるならば,葉書本体に2枚の紙片11’及び12’が重ねて貼付されたことになり,この貼付が剥離可能な接着でされた場合,葉書料金で郵送できる郵便葉書にはならない。同実施例を葉書料金で郵送するには,紙片11’,12’を剥離不能な完全接着とする必要があるが,それでは,実質的に4面貼合せの葉書にすぎない。
イ 甲10マイクロフィルムの各図に記載されたものは,「郵便はがき」の文字を記載した用紙が存在しないので,どの用紙が葉書本体であるか不明である。
また,接着面がすべて剥離可能なものであって,用紙]が葉書本体であると仮定すると,葉書本体に2枚の添付物が重ねて貼付されたことになり,この場合も葉書料金で郵送できる郵便葉書としての取扱いを受けることができない。
これに対し,被告は,甲10マイクロフィルムの第8A図〜第8D図に,すべての面が剥離可能な断面Z字状に折り畳んだ三つ折りのメールフォーム1Cが記載されていると主張する。しかしながら,仮に,同図の部材11gが葉書本体に相当するものであるとすると,郵便葉書においては,葉書本体の上部中央に「郵便はがき」の表示を行わなければならない(内国郵便約款22条1項(6))ところ,「郵便はがき」の表示の半分が部材11fで隠れてしまい,郵便葉書としての取扱いを受けることができないし,また,実施例のように,横長に使用する場合は,右側部中央に「郵便はがき」の表示を行うことも認められている(内国郵便約款22条1項(6))が,そのようにしても,「郵便はがき」の表示は,部材11fが貼付される部材11gの裏面の右側部中央に設けられることになるから,部材11fによって隠蔽されてしまい,やはり郵便葉書としての取扱いを受けることができないものである。
なお,同図の例を郵便葉書とするためには,部材を縦長に使用した上で,部材11gの裏面の縦長使用時に上部中央となる位置に「郵便はがき」の表示を行うか,又は,部材11fと部材11hの位置を入れ替え,部材11gの裏面の右側部中央となる位置に「郵便はがき」の表示を行わなければならないが,仮に,そのようにすることによって郵便葉書としての取扱いを受けることができるようになったとしても,当該メールフォーム1Cは,実質5面分の情報記載面を有しているだけであり,実質6面分の情報記載面を有する本件考案の三つ折りシークレットはがきよりも情報記載面が相当に少ないものになる。
ウ 刊行物2(甲6)の1頁右下欄最終行には,「Z折り加工状のシート」との記載が認められるものの,これに関する具体的な説明は全く記載されておらず,上記文言のみでは,本件考案1に転用することができる技術的事項は存在しないといわざるを得ない。
エ 甲11公報の第3図に記載されたものは,用紙6に「〒」マークが記載されているので,この用紙が葉書本体であると見ると,添付物が葉書本体の2倍の大きさを有することになり,この点で郵便葉書としての取扱いを受けることができないものとなる。また,上記第3図の例は,第4図に示されるように,用紙6と7が擬似接着層14とは異なる粘着剤層9を介して完全接着されているものと認められるので,同例は,実質的に二つ折りの4面貼合せの葉書にすぎない。
オ 甲12公報には,第4図として,Z型折りにして使用する記録材の例が示され,第5図として,第4図の記録材を使用して記録体を作成した場合の断面図が示されているところ,図示された記録体は,用紙がZ字折りの三つ折りではあるものの,第4図左端の用紙が葉書本体であるから,これを折り畳んで剥離可能に貼付すると,葉書本体に2枚の添付物が剥離可能な状態で重ねて貼付されたことになり,郵便葉書としての取扱いを受けることができないものとなる。
カ 甲13公報には,その図5において,「〒」マークが記載されている第2用紙1bに「往信」の文字が記載されているから,第1用紙1aと第2用紙1bとが往復葉書の「往信葉書」となり,また,第3用紙1cが「返信葉書」となるものであって,基本的には,第1用紙1aと第2用紙1bによる4面貼合せの葉書にすぎない。
なお,仮に,上記図5の例が,第1ないし第3の用紙を含めた三つ折り葉書であると仮定しても,同例においては,表面添付物である第1用紙1aは,料額印面を設けていない上,宛名記載面でもないから,本件考案の表面添付物とは異なるものであり,同例は本件考案1には転用することができないものである。
(4) さらに,決定は,郵便規則上,「葉書の表面及び裏面に添付物を貼付すること」は禁止されていないとし,実願昭59-174164号(実開昭61-87981号)のマイクロフィルム(甲14,以下「甲14マイクロフィルム)を引用している。
しかしながら,甲14マイクロフィルムには,確かに,葉書の表面及び裏面に各1枚の添付物(あて名印字部14),(通信文印字部16)を貼付するものであるが,タック12が葉書の下縁部で折り返されているので,タック12を剥離可能に貼付した場合,わずかであるが,折り返し部はタックの厚み分だけ葉書本体からはみ出しており,添付物は葉書本体と同じ大きさかこれよりも小さいものでなければならないとの要件に反し,郵便葉書とは認められないものである。
なお,タックを完全接着で剥離不可に貼着した場合は,葉書は1枚とみなされることになるので,本件考案1との類似性は全くない。
(5) 以上のとおり,決定が周知事項であるとした引用例は,4面貼合せの葉書にすぎないものか,郵便葉書としての取扱いを受けることができないものであって,本件考案1に係る6面貼合せの葉書に転用することができるものではない。
これに対し,本件考案1の葉書は,6面貼合せの葉書であり,葉書3枚分の用紙をZ字状の三つ折りにしたものであって,折り曲げられて三つに区画形成された用紙のうち,中央に位置する用紙を葉書本体とし,これに隣接する一方の用紙を表面添付物とし,他方の用紙を裏面添付物としたものであり,表面添付物及び裏面添付物は,いずれも葉書本体と同一又はこれより小さく形成されている。そして,本件考案1においては,葉書本体,表面添付物,裏面添付物の三つの部材がどのような位置関係で連接されているのか,また,どの部材に何を表記するのか,さらに,どの部材をどこに密着するのかについて工夫がされており,進歩性を有するということができる。なお,平成7年4月5日付け近畿郵政局報(甲18)は,本件考案のシークレット葉書が郵便葉書として取り扱われることを通知したものであって,このような通知がされたこと自体,日々多様な郵便物に接している郵便関係者であっても,本件考案1の三つ折りシークレット葉書が郵便葉書となることに思い至らなかったことを示すものであり,本件考案1が進歩性を有していることの証左である。
にもかかわらず,決定は,6面貼合せの葉書についての具体的な先行例を示すことなく本件考案1の進歩性を否定したものであって,本件考案1が6面貼合せの葉書に係るものであることを何ら考慮していない決定の誤りは明らかである。
2 取消事由2(本件考案1に係る相違点ロに関する判断の誤り) (1) 決定は,本件考案1と引用考案との相違点ロとして認定した,「前者1(注,本件考案1)では,『郵便はがき』又は『POST CARD』の文字を,裏面添付物と連接するはがき本体の側端部に記載し,表面添付物を長辺の長さがはがき本体の長辺の長さと同じ長さであり短辺の長さがはがき本体に密着した後も,『郵便はがき』又は『POST CARD』の文字が読み取れる長さに形成し,はがき本体の側端部に『郵便はがき』又は『POST CARD』の文字が表記されるのに対し,後者(注,引用考案)では,表面添付物の短辺の長さがはがき本体に密着した後も,『郵便はがき』又は『POST CARD』の文字が読み取れる長さに形成されている点は同じであるが,『郵便はがき』の文字が記載される位置がはがき本体の側端部とはいえず,表面添付物の長辺の長さもはがき本体の長辺の長さと同じ長さではない点」(決定謄本10頁下から第3段落)について,「刊行物2(注,甲6)の第6図には,シートの右部分を折り線cを境にして折りシートの左部分に接合した後も住所,氏名のような隠蔽を望まない情報fをシートの左側端部に記載し,シートの左部分に接合するシートの右部分を長辺の長さがシートの左部分の長辺の長さと同じ長さであり短辺の長さがシートの左部分に接合した後も隠蔽を望まない情報が読み取れる長さに形成したものが記載されている。そして,葉書本体の『郵便はがき』又は『POST CARD』の文字は,添付物が貼付された場合でも隠蔽されてはならないものであること(郵便規則第13条第1項第5号,内国郵便約款第22条第1項第6号),表面貼付物を密着後も『郵便はがき』等の文字を読み取れるようにすることは当然考慮されること・・・を勘案すると,刊行物2記載の隠蔽を望まない情報の記載位置,及びシートの右部分の隠蔽を望まない情報の表記部分に対応する構成を後者の『郵便はがき』の文字の記載位置及び表面貼付物の『郵便はがき』の文字の表記部分に対応する構成に適用し,前者1のように構成することは,当業者であればきわめて容易に想到することができたものである」(同11頁第2段落)と判断したが,誤りである。
(2) 刊行物2(甲6)の第6図記載の葉書は,折り線cを境に折ってシートの右半分をシートの左半分に接合する形態の葉書であって,住所,氏名のように接合後も隠蔽を望まない情報については,シートの左側端部に記載し,シートの左部分に接合すべきシートの右半分の長辺の長さをシートの左半分の長辺の長さと同じとする一方,その短辺の長さは,接合後においても上記隠蔽を望まない情報を読み取ることができるように形成したものである。
刊行物2においては,シートの左側端部に記載すべき上記「隠蔽を望まない情報」として,住所,氏名が具体的に例示されている。にもかかわらず,決定は,葉書本体の「郵便はがき」又は「POST CARD」の文字は,添付物が貼付された場合でも隠蔽されてはならないものであるという理由から,上記第6図記載の葉書における「隠蔽することを望まない情報」と,郵便葉書における「郵便はがき」又は「POST CARD」の文字とを同一視して,上記の判断をした。しかしながら,葉書の表面に記載される「郵便はがき」又は「POST CARD」の文字は,郵便葉書であることを表記したものであり,葉書料金で郵送できる用紙の大きさ又は重量等を定めた形式事項であって,上記「隠蔽を望まない情報」と同一視することはできない。すなわち,葉書の表面に記載する「郵便はがき」又は「POST CARD」の文字は,記載が義務付けられているだけでなく,記載位置も特定されているものであるから,これらの文字をZ字状の三つ折りにした用紙のどの部位のどの位置に記載するかは,三つ折りされたものが郵便葉書として取り扱われるか否かに直結する問題となるのに対し,「隠蔽を望まない情報」は,記載するか否かは任意であり,記載位置も特定されるものではないから,両者は,おのずとその性質が異なるものというべきである。
(3) また,決定は,「表面貼付物を密着後も『郵便はがき』等の文字を読み取れるようにすることは当然考慮されること」であるとし,その例として,刊行物1(甲5),甲14マイクロフィルム及び甲13公報を引用しているが,上記1のとおり,これらの刊行物に記載された例は,貼合せ葉書ではないか,又は,貼合せ葉書であっても4面貼合せの葉書にすぎないものであるか,郵便葉書としての取扱いを受けることができないものであって,本件考案1の6面貼合せの葉書には転用することができないものである。
6面貼合せの葉書においては,「郵便はがき」又は「POST CARD」の文字を記載する用紙が,必ず特定の部位でなければならず,また,記載される位置も特定の位置でなければ,折畳んで葉書を形成したときに葉書料金で郵送できる郵便葉書としての取扱いを受けることができない。にもかかわらず,決定は,6面貼合せの葉書の先行例を示すことなく,本件考案1の進歩性を否定したものであって,本件考案1が6面貼合せの葉書に係るものであることを何ら考慮していない決定の誤りは明らかである。
3 取消事由3(本件考案1に係る相違点ハに関する判断の誤り) (1) 決定は,本件考案1と引用考案との相違点ハとして認定した,「表面添付物は,前者1(注,本件考案1)では,はがき本体に密着したとき『郵便はがき』又は『POST CARD』の表記面に現れる面に料額印面(6)を設けると共に当該面を宛名記載面としたのに対し,後者(注,引用考案)では,料額印面について記載がなく,宛名記載面は表面添付物ではなく,はがき本体に設けられている点」(決定謄本10頁下から第2段落)について,「葉書表面に料額印面及び宛名記載面を設けることは当然なされるべきこと(内国郵便約款第11条第1項)であり,料額印面及び宛名記載面を表面のどこに設けるかは,見やすい個所等を考慮して当業者が適宜選択する設計事項にすぎない。したがって,前者1が表面添付物に料額印面及び宛名記載面を設けた点は,表面添付物の大きさを考慮すれば,当業者の当然の選択である」(同11頁最終段落)と判断したが,誤りである。
(2) 決定は,葉書表面に料額印面及び宛名記載面を設けることが郵便規則で定められているということのみから,料額印面及び宛名記載面を表面のどこに設けるかは当業者の設計事項であるとして,本件考案1の進歩性を安易に否定した。しかしながら,特に6面貼合せの葉書においては,料額印面及び宛名記載面をどの部位の用紙に設けるかは重要な問題である。貼り合わせて「葉書」として形成されたものが郵便規則で定める要件を備えていなければ,葉書料金で郵送できる郵便葉書としての取扱いを受けることができないところ,本件考案1は,6面貼合せの葉書において,どのようにすれば6面すべてを情報記載面として利用することができ,かつ,郵便葉書としての上記取扱いを受けることができるかという課題を解決したものであって,当業者がきわめて容易考案をすることができたものではない。
この点について,決定は,表面添付物に宛名記載面を設けた点の周知例として,甲14マイクロフィルムを引用しているが,甲14マイクロフィルム記載の葉書は,葉書本体の表面に「料額印面」を設けているので,表面添付物を葉書表面の大きさと同じにすることができず,そのため,表面添付物の貼り合せ面を秘密情報記載面とする場合,情報記載面の大きさが制限されるものである。なお,引用考案の葉書は,葉書本体の表面に「郵便はがき」の文字の他に料額印面及び宛名記載面を設けているので,葉書本体の表面に貼付できる表面添付物は,甲14マイクロフィルムの葉書の場合よりもさらに制限されている。
これに対し,本件考案1は,「表面添付物」に料額印面を設けるとともに宛名記載面としたものであるから,表面添付物と葉書本体とを略同じ大きさに形成することができ,葉書本体と略同じ大きさの表面添付物の貼り合わせ面を秘密情報記載面とすることができ,葉書本体の貼り合せ面も含め6面すべてを情報記載面として利用できるものとなっているのである。
(3) 4面貼合せの葉書においても,秘密情報記載面の大きさだけを比較すれば,葉書本体と添付物の大きさを同じ大きさにできるが,郵便規則は,葉書本体に2枚の添付物を剥離可能に重ねて貼付することを認めていないことから,6面貼合せの葉書の場合において,単純に,表面添付物を葉書本体と同じ大きさにしてしまうと郵便葉書にはならないのである。なぜなら,6面貼合せの葉書において,葉書本体の表面及び裏面に各1枚の添付物を剥離可能に貼付しようとすると,裏面添付物は問題ないが,表面添付物は葉書本体の全面に貼付されることになるので,この場合は表面添付物を葉書本体とせざるを得ず,これでは葉書本体に2枚の添付物が重ねて貼付されたことになるため,結局,郵便葉書としての取扱いを受けることができないことになる。
これに対し,本件考案1は,6面貼合せの葉書において,6面すべてを有効に利用しようとすると,葉書本体に2枚の添付物が重ねて貼付されてしまう結果,郵便葉書としての取扱いを受けることができないという上記課題を解決したものであって,表面添付物に料額印面と宛名記載面を設けたことにより,表面添付物を葉書本体と略同じ大きさに形成でき,6面すべてを情報記載面として利用できるようにしたものであるから,当該構成は,当業者の設計事項などではなく,進歩性を有するものというべきである。
にもかかわらず,決定は,6面貼合せの葉書の先行例を示すことなく,本件考案1の進歩性を否定したものであって,本件考案1が6面貼合せの葉書に係るものであることを何ら考慮していない決定の誤りは明らかである。
4 取消事由4(本件考案2,3に係る各相違点に関する判断の誤り) 決定は,本件考案2,3と引用考案との各相違点(決定謄本12頁下から第3段落〜最終段落,同14頁第2段落〜第4段落)について,本件考案1と引用考案との相違点イ〜ロに関する判断と同様,ないし,ほぼ同様の判断をしているが,それらの判断がいずれも誤りであることは,上記1〜3と同様である。
5 取消事由5(本件考案1〜3の顕著な作用効果の看過) 私製葉書において,通常葉書の重量は「2グラム以上6グラム以下」と規定されている(内国郵便約款22条1項(3))が,貼合せ葉書においては,葉書本体が「2グラム以上6グラム以下」の重量を必要とすると解されている。このため,葉書本体,表面添付物,裏面添付物が,いずれも同じ大きさである場合,用紙は,各部材が2グラムとなるものを使用すれば,葉書全体の重量が6グラムとなって郵便葉書としての取扱いは受けられるのであるが,3片とも同じ大きさの場合は,製紙工程や葉書の製造工程で生じる重量のわずかな誤差により上記の要件を満たすことが困難となることが予想される。
この点について,本件考案1〜3においては,表面添付物は,葉書本体に記載した「郵便はがき」又は「POST CARD」の文字を読み取ることができる形状に形成された分だけ用紙が削除されており,重量も軽くなっているので,はがき本体が2グラムとなる用紙を使用した場合,たとえ,製紙,製造工程で各片の重量にわずかな誤差が生じたとしても,上記要件を確実に満たすことができるものとなっている。
本件考案1〜3は,本件明細書(甲15添付)に,「本考案は,情報を記載することができる面が片面6面分あり,このうち親展情報を記載することができる面が片面4面分あって,かつ郵便はがきとしての郵送が可能であるとの効果がある」(段落【0027】),「なお,本考案では表面添付物の面積がはがき本体より小さいため,はがき本体及び表面添付物並びに裏面添付物を同一の用紙で製造した場合に,はがき本体の重量が2グラム以上であって,かつ,はがき全体の重量が6グラム以下(現行の郵便規則)とすることができるものである」(段落【0031】)と記載されるとおりの作用効果を奏するものであるところ,決定は,本件考案1〜3の上記のような作用効果を看過したものであって,誤りである。
被告の反論
決定の認定判断は正当であり,原告の取消事由の主張はいずれも理由がない。
1 取消事由1(本件考案1に係る相違点イに関する判断の誤り)について (1) 決定において,甲7マイクロフィルム,甲8公報及び甲9マイクロフィルムは,葉書本体に裏面添付物を連接したシークレット葉書が周知であることを立証するために引用されたものである。
これに対し,原告は,上記各刊行物記載のものは三つ折りではないなどとして決定を論難するが,上記各刊行物記載のものが三つ折りでないとしても,各刊行物に記載されたシークレット葉書が,いずれも,葉書本体に裏面添付物を連接したものであることは明白であって,原告主張の点は上記引用の趣旨とは関係がない。
したがって,決定が,上記各刊行物を周知例として,「はがき本体に裏面添付物を連接し,裏面添付物をはがき本体の端縁を折れ線として裏面に折り返し,剥離可能な接着で密着するシークレットはがきは・・・従来から周知である」(決定謄本10頁最終段落)とした点に誤りはない。
(2) 決定において,刊行物1(甲5)の図5に示された第3実施例,甲10マイクロフィルム,刊行物2(甲6),甲11公報の第3図,甲12公報及び甲13公報は,断面Z字状に折り畳んだ三つ折りのシークレットはがきが周知であることを立証するために引用されたものである。
これに対し,原告は,上記各刊行物に記載されたものは,4面貼合せの葉書にすぎないか,郵便葉書としての取扱いを受けることができないものであるなどとして決定を論難するが,甲13公報の第7図記載のものなど,上記刊行物記載のものが,断面Z字状に折り畳んだ三つ折りのシークレットはがきであることは明らかであり,原告主張の点は上記引用の趣旨とは関係がない。
なお,甲10マイクロフィルムには,第8A図〜第8D図として,すべての面が剥離可能な断面Z字状に折り畳んだ三つ折りのメールフォーム1Cも記載されている。
(3) 決定において,甲14マイクロフィルムは,はがきの表面及び裏面に添付物を貼付することが行われていることを立証するために引用されたものであるところ,甲14マイクロフィルムには,はがき20に宛名表示用印字部14と通信文記載用印字部16を貼付する点が記載されており,宛名表示用印字部14が表面添付物であり,通信文記載用印字部16が裏面添付物に相当する。
原告は,タック12が葉書の下縁部で折り返されているので,タック12を剥離可能に貼付した場合,折り返し部はタックの厚み分だけはがき本体からはみ出しており,郵便葉書とは認められない旨主張する。しかしながら,甲14マイクロフィルムには,「折線18はミシン目として切離可能であることが好ましい」(明細書4頁第1段落)と記載されており,タックが折線18から切り離されて表裏面に別々に貼付されることも想定することができるし,また,「タック12の上部14及び下部16の寸法は・・・はがきの大きさが最大」(同3頁最終段落)と記載されていることからみて,甲14マイクロフィルム記載のものが郵便葉書でないということはできない。
したがって,決定が,「はがきの表面及び裏面に添付物を貼付することが行われている」(決定謄本11頁第1段落)とした点に誤りはない。 (4) そして,上記(1)〜(3)の引用刊行物は,いずれも添付物を有する葉書について記載したものであり,これらの刊行物に記載された周知の技術を,同じく添付物を有する葉書に関する引用考案に採用することは,当業者がきわめて容易に想到し得たことであるということができる。
したがって,決定が,「後者(注,引用考案)に従来から周知のはがき本体に裏面添付物を貼付する技術を組み合わせて,はがき本体の折り畳み線Lと反対側の端縁に裏面添付物を連接し,断面Z字状に折り畳んだ三つ折りとすることは当業者ならばきわめて容易に想到し得るものであって格別なものとは認められない」(決定謄本11頁第1段落)と判断したことに誤りはなく,原告主張の取消事由1は失当である。
2 取消事由2(本件考案1に係る相違点ロに関する判断の誤り)について 刊行物2(甲6)の「隠蔽を望まない情報」も,本件考案の「郵便はがき」又は「POST CARD」の文字も,はがき本体に記載され,本体と略同じ大きさの添付物を密着した後も読み取れる情報である点において違いはない。そして,決定は,本体と略同じ大きさの添付物を密着した後も本体記載の情報が読み取れるようにする構成として,上記公報に記載された構成を引用し,これを「郵便はがき」又は「POST CARD」の文字の記載位置及び表面添付物の「郵便はがき」又は「POST CARD」の文字の表記部分に対応する構成に適用することがきわめて容易であると判断したものである。
これに対し,原告は,刊行物2(甲6)の「隠蔽を望まない情報」と本件考案の「郵便はがき」又は「POST CARD」の文字との性質の違いや,決定が引用する刊行物1(甲5),甲14マイクロフィルム及び甲13公報に記載された例が6面貼合せの葉書でないことなどを根拠に,決定を論難するが,原告主張の点は,刊行物2記載の技術を引用考案に適用することを阻害する要因とはなり得ないから,原告の取消事由2の主張は失当である。
3 取消事由3(本件考案1に係る相違点ハに関する判断の誤り)について (1) 宛名記載面は表面に,料額印面を設ける時も表面に設けることは定められたこと(内国郵便約款11条,46条)であり,また,料額印面及び宛名記載面を表面のどこに設けるかは,6面貼合せの葉書であるか否かには関係がなく,見やすい個所等を考慮して当業者が適宜選択する設計事項にすぎない。一方,表面添付物を具備するものにおいて,料額印面及び宛名記載面を表面添付物に設けることができない理由は何もない。そうすると,相違点ハに係る本件考案の構成に到達することは,当業者にとってきわめて容易であったというべきである。
(2) これに対し,原告は,相違点ハに係る構成が,表面添付物をはがき本体と略同じ大きさに形成でき,6面貼合せの葉書において6面すべてを情報記載面として利用できる等の効果をもたらすものであることを根拠に,決定の判断は誤りであると主張しているものと解される。しかしながら,表面添付物をはがき本体と略同じ大きさに形成できるという原告主張の効果は,料額印面と宛名記載面を表面添付物に設けるという当業者が適宜採用し得た構成から当然に予測される効果にすぎないから,相違点ハに係る本件考案の構成は,当業者がきわめて容易に到達できたものであるとした決定の判断を覆すに足りない。
4 取消事由4(本件考案2,3に係る各相違点に関する判断の誤り)について 上記1〜3のとおり,原告の取消事由1〜3の主張は失当であるから,これと同様の主張である原告の取消事由4の主張も失当である。
5 取消事由5(本件考案1〜3の顕著な作用効果の看過)について 原告の取消事由5の主張は,否認ないし争う。
当裁判所の判断
1 取消事由1(本件考案1に係る相違点イの判断の誤り)について (1) 決定は,本件考案1と引用考案との相違点イとして認定した,「全体で1つの長方形を形成するシークレットはがきが,前者1(注,本件考案1)では,はがき本体(1)の両端に該両端縁を折れ線とし表面添付物(2)及び裏面添付物(3)を連接し,断面Z字状に折り畳んで三つ折りにされるのに対し,後者(注,引用考案)では,裏面添付物を連接しておらず,はがき本体の1端に表面添付物を連接し,二つ折りにされる点」(決定謄本10頁第3段落)について,「はがき本体に裏面添付物を連接し,裏面添付物をはがき本体の端縁を折れ線として裏面に折り返し,剥離可能な接着で密着するシークレットはがきは・・・従来から周知である。また,シークレットはがきにおいて,断面Z字状に折り畳んだ三つ折りのものも,従来から周知・・・であり,しかも,葉書の表面及び裏面に添付物を貼付することは禁止されておらず(郵便規則第16条,内国郵便約款第25条第2項),はがきの表面及び裏面に添付物を貼付することが行われている・・・ことを勘案すると,後者に従来から周知のはがき本体に裏面添付物を貼付する技術を組み合わせて,はがき本体の折り畳み線Lと反対側の端縁に裏面添付物を連接し,断面Z字状に折り畳んだ三つ折りとすることは当業者ならばきわめて容易に想到し得るものであって格別なものとは認められない」(同頁最終段落〜11頁第1段落)と判断した。
(2) これに対し,原告は,決定が,上記(1)の判断において,甲7マイクロフィルム,甲8公報及び甲9マイクロフィルムを周知例として引用して,「はがき本体に裏面添付物を連接し,裏面添付物をはがき本体の端縁を折れ線として裏面に折り返し,剥離可能な接着で密着するシークレットはがきは・・・従来から周知である」(決定謄本10頁最終段落)と認定した点について,甲7マイクロフィルム及び甲8公報記載のものは三つ折りにされるものではなく,甲9マイクロフィルム記載のものは,裏面添付物に相当するとみられる添付物が本体の裏面に貼付されているだけであるから,上記各刊行物記載の周知技術は,いずれも本件考案1の6面貼合せの葉書に転用することができるものではない旨主張する。
しかしながら,決定において上記各刊行物を引用する趣旨が,飽くまで,「はがき本体に裏面添付物を連接し,裏面添付物をはがき本体の端縁を折れ線として裏面に折り返し,剥離可能な接着で密着するシークレットはがきは・・・従来から周知である」との事実を立証することにあることは,決定の文脈自体から明らかであるところ,上記各刊行物に,「はがき本体に裏面添付物を連接し,裏面添付物をはがき本体の端縁を折れ線として裏面に折り返し,剥離可能な接着で密着するシークレットはがき」が記載されていることは明らかである。原告の上記主張は,決定の上記引用の趣旨と無関係なものといわざるを得ず,採用の限りではない。
(3) また,原告は,決定が,上記(1)の判断において,刊行物1(甲5)の第5図に示された第3実施例,甲10マイクロフィルム,刊行物2(甲6)の1頁右下欄最終行,甲11公報の第3図,甲12公報及び甲13公報を引用して,「シークレットはがきにおいて,断面Z字状に折り畳んだ三つ折りのものも,従来から周知」(決定謄本10頁最終段落〜11頁第1段落)であると認定した点について,上記各周知例に記載されたものは,実質的に4面貼合せの葉書にすぎないものであるか,葉書料金で郵送できる郵便葉書としての取扱いを受けることができないものであるなどとし,いずれも,本件考案1に転用することができるものではない旨主張する。
しかしながら,決定において上記各刊行物を引用する趣旨が,飽くまで,「シークレットはがきにおいて,断面Z字状に折り畳んだ三つ折りのもの」が周知であるとの事実を立証することにあることは,決定の文脈自体から明らかであるところ,そこでは,当該三つ折りのシークレット葉書の接着面がすべて剥離可能であるか否か,すなわち,実質的に,6面貼合せの葉書であるか,4面貼合せの葉書であるかという点は直接問題とされていないと解される。そして,上記各刊行物中,刊行物1の図5に示された第3実施例,甲13公報の図5において,実質的に4面貼合せの葉書ではあるにせよ,「シークレットはがきにおいて,断面Z字状に折り畳んだ三つ折りのもの」が記載されていることは原告も自認するとおりであり,その限りにおいて,決定の上記認定に誤りはないというべきである。原告の上記主張は,決定の上記引用の趣旨を正解しないものといわざるを得ず,採用することができない。
(4) さらに,原告は,決定が,上記(1)の判断において,甲14マイクロフィルムを引用して,「はがきの表面及び裏面に添付物を貼付することが行われている」(決定謄本11頁第1段落)と認定した点について,甲14マイクロフィルムに記載されたものは郵便葉書とは認められない旨主張する。
しかしながら,決定の上記認定は,「葉書の表面及び裏面に添付物を添付することは禁止されておらず(郵便規則第16条,内国郵便約款第25条第2項)」との認定を前提とするものである(その認定が正当であることは,決定が引用する上記郵便規則及び内国郵便約款の規定から明らかである。)から,上記「はがきの表面及び裏面に添付物を貼付することが行われている」との認定における「添付物」が,剥離可能なものであるか否かを問わない趣旨であることも,決定の文脈上明らかであり(ただし,甲14マイクロフィルムの添付物は剥離可能なものである。),その限りであれば,当該事実は,甲14マイクロフィルムを待つまでもなく,公知の事実にすぎないと認められる。したがって,甲14マイクロフィルム記載の葉書に関する原告の上記主張の当否にかかわらず,決定の上記認定に誤りはない。
(5) 以上のとおり,決定の上記(1)の判断の前提となる事実,すなわち,@葉書本体に裏面添付物を連接し,裏面添付物を葉書本体の端縁を折れ線として裏面に折り返し,剥離可能な接着で密着するシークレット葉書が周知であること,Aシークレット葉書において,断面Z字状に折り畳んだ三つ折りのもの(6面貼合せのものに限らない。)が周知であること,B葉書の表面及び裏面に添付物を貼付することは禁止されておらず,葉書の表面及び裏面に添付物(剥離可能なものか否かを問わない。)を貼付することが行われていることについては,いずれも,その認定自体は正当であると認められる。
そして,決定は,上記@〜Bの各事実を前提に,引用考案に係る剥離可能な表面添付物のみを連接した4面貼合せのシークレット葉書について,上記@の裏面添付物に係る周知の構成を適用して6面貼合せのシークレット葉書とした上(なお,上記Bの事実は,その際,表面添付物のほかに裏面添付物を貼付することに阻害事由がなく,実例も存することを示す趣旨で認定されたものと解される。),各用紙の連接の態様について,上記Aの断面Z字状に折り畳んだ三つ折りという周知の構成を適用すれば,相違点イに係る本件考案1の構成をきわめて容易に得ることができると判断したものであると理解される。
(6) ところで,原告は,決定が引用する周知例は,4面貼合せの葉書にすぎないものか,郵便葉書としての取扱いを受けることができないものであって,本件考案1に係る6面貼合せの葉書に転用することができるものではないとした上,6面貼合せの葉書についての具体的な先行例を示すことなく,本件考案1の進歩性を否定した決定の誤りは明らかである旨主張する。
原告の上記主張は,本件考案1のような6面貼合せのシークレット葉書が従来知られていなかったことを前提に,引用考案に上記(5)@の周知技術を適用して6面貼合せのシークレット葉書を得ようとする動機付けがないとする趣旨であると理解されるが,確かに,決定の文面上は,阻害事由がないこと等を上記(5)Bの事実によって示してはいるものの,上記動機付けに関する説示は,必ずしも十分であるとまではいうことができない。しかしながら,決定が周知例として引用する甲10マイクロフィルムには,第8A図〜第8D図として,すべての面が剥離可能な,断面Z字状に折り畳んだ三つ折り葉書の例が記載されていることが認められ,そうとすれば,これを参考にして,引用考案に上記(5)@の周知技術を適用して6面貼合せのシークレット葉書を得ることは,当業者にとってきわめて容易なことというほかはないから,結局,決定の上記(1)の判断は結論において正当というべきである。
なお,原告は,甲10マイクロフィルムの第8A図〜第8D図記載のものは,同図の部材11gが葉書本体に相当するものであるとすると,「郵便はがき」等の表示が隠れてしまい,郵便葉書としての取扱いを受けることができない旨主張するが,仮にそうであるとしても,原告も自認するとおり,部材11fと部材11hの位置を左右逆にするなど,多少の工夫をすることによって,郵便葉書としての取扱いを受けることができるようになることは明らかであるし,また,動機付けという意味では,6面貼合せの葉書の例であれば足り,厳密な意味で郵便葉書としての取扱いを受けることができるものである必要まではないというべきであるから,この点に関する原告の主張は,上記の判断を左右するものではない。
(7) また,原告は,平成7年4月5日付け近畿郵政局報(甲18)は,日々多様な郵便物に接している郵便関係者であっても,本件考案1の三つ折りシークレット葉書が郵便葉書となることに思い至らなかったことを示すものであり,本件考案1が進歩性を有していることの証左であると指摘する。
確かに,上記郵政局報の記載は,郵便規則の解釈上,本件考案1に係る三つ折りシークレット葉書が郵便葉書としての取扱いを受けることができるものであるかの判断が必ずしも容易でなかったことをうかがわせるものであるということができる。しかしながら,郵便規則の解釈上の困難性は,本件考案1の進歩性を直ちに基礎付けるものではなく,本件考案1が実用新案としての進歩性を有するか否かは,飽くまで,あるべき正当な郵便規則の解釈(すなわち,本件考案1のような形態の三つ折りシークレット葉書も,郵便葉書としての取扱いを受け得るとの解釈)を前提に,当業者が,本件考案1の構成を想到することがきわめて容易であったかどうかにより判断すべきものと解するのが相当である。そして,本件考案1のような形態の三つ折りシークレット葉書も,郵便葉書としての取扱いを受け得るものであり,決定の引用する周知例を前提とすれば,当業者が相違点イに係る本件考案1の構成をきわめて容易に想到することができたと認められることは,上記(5)及び(6)において判示したとおりであるから,原告の上記主張は採用の限りではない。
(8) 以上によれば,原告の取消事由1の主張は理由がない。
2 取消事由2(本件考案1に係る相違点ロに関する判断の誤り)について (1) 決定は,本件考案1と引用考案との相違点ロとして認定した,「前者1(注,本件考案1)では,『郵便はがき』又は『POST CARD』の文字を,裏面添付物と連接するはがき本体の側端部に記載し,表面添付物を長辺の長さがはがき本体の長辺の長さと同じ長さであり短辺の長さがはがき本体に密着した後も,『郵便はがき』又は『POST CARD』の文字が読み取れる長さに形成し,はがき本体の側端部に『郵便はがき』又は『POST CARD』の文字が表記されるのに対し,後者(注,引用考案)では,表面添付物の短辺の長さがはがき本体に密着した後も,『郵便はがき』又は『POST CARD』の文字が読み取れる長さに形成されている点は同じであるが,『郵便はがき』の文字が記載される位置がはがき本体の側端部とはいえず,表面添付物の長辺の長さもはがき本体の長辺の長さと同じ長さではない点」(決定謄本10頁下から第3段落)について,「刊行物2(注,甲6)の第6図には,シートの右部分を折り線cを境にして折りシートの左部分に接合した後も住所,氏名のような隠蔽を望まない情報fをシートの左側端部に記載し,シートの左部分に接合するシートの右部分を長辺の長さがシートの左部分の長辺の長さと同じ長さであり短辺の長さがシートの左部分に接合した後も隠蔽を望まない情報が読み取れる長さに形成したものが記載されている。そして,葉書本体の『郵便はがき』又は『POST CARD』の文字は,添付物が貼付された場合でも隠蔽されてはならないものであること(郵便規則第13条第1項第5号,内国郵便約款第22条第1項第6号),表面貼付物を密着後も『郵便はがき』等の文字を読み取れるようにすることは当然考慮されること・・・を勘案すると,刊行物2記載の隠蔽を望まない情報の記載位置,及びシートの右部分の隠蔽を望まない情報の表記部分に対応する構成を後者の『郵便はがき』の文字の記載位置及び表面貼付物の『郵便はがき』の文字の表記部分に対応する構成に適用し,前者1のように構成することは,当業者であればきわめて容易に想到することができたものである」(同11頁第2段落)と判断した。
(2) これに対し,原告は,決定の引用する刊行物2(甲6)の葉書における「隠蔽を望まない情報」と,郵便葉書における「郵便はがき」又は「POST CARD」の文字との性質の違いをるる主張した上,決定の上記判断は,両者を同一視したものであって誤りである旨主張する。
しかしながら,刊行物2(甲6)の葉書における「隠蔽を望まない情報」と,郵便葉書における「郵便はがき」又は「POST CARD」の文字との間に,仮に,原告主張のような性質の違いがあるとしても,両者は,剥離可能な用紙を貼付することによって情報の一部を隠蔽するシークレット葉書の分野において,隠蔽の対象とならない記載であるという点において一致することは明らかであるから,前者に関する技術的事項を後者に転用することにより,「郵便はがき」等の文字を読み取ることができる構成,すなわち,相違点ロに係る本件考案1の構成を得ることは,当業者がきわめて容易に行い得ることというべきである。原告主張に係る両者の性質の違いは,この点に関する判断を左右するものではないから,採用の限りではない。
(3) また,原告は,決定が引用する刊行物1(甲5),甲14マイクロフィルム及び甲13公報に記載された例は,貼合せ葉書ではないか,又は,貼合せ葉書であっても4面貼合せ葉書にすぎないものであるか,郵便葉書としての取扱いが認められないものであって,本件考案1の6面貼合せの葉書には転用することができないものである旨主張する。
しかしながら,6面貼合せの葉書であるか否かは,相違点ロではなく,相違点イに係る問題であり,引用考案に刊行物2(甲6)記載の技術的事項を適用して相違点ロに係る本件考案1の構成を得ることと,本件考案1が6面貼合せの葉書であることとは関係しないというべきであるから,原告の上記主張は失当というほかはない。
また,原告の上記主張を善解すれば,相違点ロに係る本件考案1の構成のように,葉書本体の「郵便はがき」又は「POST CARD」の記載のみを残して,その余を表面添付物で覆ってしまうことの想到困難性を主張するものであるとも解されるが,相違点イに係る構成,すなわち,6面貼合せで,かつ,断面Z字状に折り畳んで三つ折りにされるシークレット葉書を得ることがきわめて容易であることは上記1のとおりであるところ,そのようなシークレット葉書において,情報記載面を極大化することは正に当然の要請というべきである。そうすると,郵便規則の解釈上,葉書本体は,最低限,「郵便はがき」又は「POST CARD」との記載が表面に現れていれば足りるとの解釈(なお,郵便規則の解釈上の困難性が実用新案としての進歩性を直ちに基礎付けるものでないことは,上記1(7)のとおりである。)を前提に,情報記載面を極大化すべく,相違点ロに係る本件考案1の構成に至ることは,当業者にとって当然のことといわざるを得ず,いずれにしても,原告の主張は採用の限りではない。
(4) 以上によれば,相違点ロに関する決定の上記判断に誤りはなく,原告の取消事由2の主張は理由がない。
3 取消事由3(本件考案1に係る相違点ハに関する判断の誤り)について (1) 決定は,本件考案1と引用考案との相違点ハとして認定した,「表面添付物は,前者1(注,本件考案1)では,はがき本体に密着したとき『郵便はがき』又は『POST CARD』の表記面に現れる面に料額印面(6)を設けると共に当該面を宛名記載面としたのに対し,後者(注,引用考案)では,料額印面について記載がなく,宛名記載面は表面添付物ではなく,はがき本体に設けられている点」(決定謄本10頁下から第2段落)について,「葉書表面に料額印面及び宛名記載面を設けることは当然なされるべきこと(内国郵便約款第11条第1項)であり,料額印面及び宛名記載面を表面のどこに設けるかは,見やすい個所等を考慮して当業者が適宜選択する設計事項にすぎない。したがって,前者1が表面添付物に料額印面及び宛名記載面を設けた点は,表面添付物の大きさを考慮すれば,当業者の当然の選択である」(同11頁最終段落)と判断した。
(2) これに対し,原告は,特に6面貼合せの葉書においては,料額印面及び宛名記載面をどの部位の用紙に設けるかは重要な問題であり,貼り合わせて「葉書」として形成されたものが郵便規則で定める要件を備えていなければ,葉書料金で郵送できる郵便葉書としての取扱いを受けることができないところ,本件考案1は,6面貼合せの葉書において,どのようにすれば6面すべてを情報記載面として利用することができ,かつ,郵便葉書としての上記取扱いを受けることができるかという課題を解決したものであって,当業者がきわめて容易考案をすることができたものではないなどとして,決定の上記判断は誤りである旨主張する。
しかしながら,相違点イ及びロに係る構成を前提とすれば,当該葉書の「郵便はがき」又は「POST CARD」の表記が現れる表面には,表面添付物のほかには余白がないことになるから,葉書として必須の構成である料額印面及び宛名記載面を表面添付物に設けることは,当業者にとって,むしろ,それ以外にない当然の選択であるというべきである。
あるいは,原告の上記主張の趣旨は,郵便規則の解釈上,本件考案1の三つ折りシークレット葉書のような形態のものも郵便葉書としての取扱いを受けることができるという点を見いだしたことに,本件考案1の進歩性がある旨主張するものとも解されるが,本件考案1が実用新案としての進歩性を有するか否かは,飽くまで,あるべき正当な郵便規則の解釈を前提とすべきであって,そうした主張を採用することができないことは,上記1(7)において判示したとおりである。
また,原告の上記主張は,相違点イ〜ハに係る構成の組合せの困難性を主張するものであるとも解されるが,相違点イに係る構成と,相違点ロに係る構成とを組み合わせることが,当業者にとって当然のことにすぎないことは,上記2(3)のとおりであり,そうとすれば,更に相違点ロに係る構成を組み合わせることも,当業者にとって,むしろ,それ以外にない当然の選択であることは上記のとおりであるから,相違点イ〜ハに係る構成の組合せに格別の困難性を認めることはできない。
以上によれば,いずれにしても,原告の上記主張を採用する余地はないというべきである。
(3) なお,原告の上記主張は,本件考案1の作用効果の顕著性を根拠に,相違点ハに係る構成の進歩性を主張するものであるとも解されるが,当該主張を採用し得ないことは,後記5のとおりである。
(4) 以上によれば,相違点ハに関する決定の上記判断に誤りはなく,原告の取消事由3の主張は理由がない。
4 取消事由4(本件考案2,3に係る各相違点に関する判断の誤り)について 決定は,本件考案2,3と引用考案との各相違点イ〜ハ(決定謄本12頁下から第3段落〜最終段落,同14頁第2段落〜第4段落)について,本件考案1と引用考案との相違点イ〜ロに関する判断と同様の判断(相違点イ,ハについて),ないし,ほぼ同様の判断(相違点ロについて。刊行物2〔甲6〕中,引用される図のみが異なる。)をし,その進歩性を否定した(同13頁第1段落〜第3段落,同14頁下から第2段落〜15頁第2段落)。
これに対し,原告は,取消事由1〜3と同様の理由により,決定の判断は誤りである旨主張するが,原告の取消事由1〜3の主張に理由がないことは上記1〜3のとおりであるから,原告の取消事由4の主張も理由がない。
5 取消事由5(本件考案1〜3の顕著な作用効果の看過)について (1) 原告は,本件考案1〜3は,本件明細書(甲15添付)に,「本考案は,情報を記載することができる面が片面6面分あり,このうち親展情報を記載することができる面が片面4面分あって,かつ郵便はがきとしての郵送が可能であるとの効果がある」(段落【0027】),「なお,本考案では表面添付物の面積がはがき本体より小さいため,はがき本体及び表面添付物並びに裏面添付物を同一の用紙で製造した場合に,はがき本体の重量が2グラム以上であって,かつ,はがき全体の重量が6グラム以下(現行の郵便規則)とすることができるものである」(段落【0031】)と記載されるとおりの作用効果を奏するものであるところ,決定は,本件考案1〜3の上記のような作用効果を看過したものであって,誤りである旨主張する。
(2) しかしながら,相違点イ〜ハに係る本件考案1〜3の構成は,いずれも,当業者がきわめて容易に想到し得るものであることは,上記1〜4のとおりであるところ,原告の主張する上記各効果は,それらの構成を採用したことによる当然の効果であって,当業者の予想の範囲を出るものではないというべきである。
したがって,原告の取消事由5の主張は理由がない。
6 以上のとおり,原告主張の取消事由はいずれも理由がなく,他に決定を取り消すべき瑕疵は見当たらない。
よって,原告の請求は理由がないから棄却することとし,主文のとおり判決する。
裁判長裁判官 篠原勝美
裁判官 古城春実
裁判官 早田尚貴
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