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関連審決 訂正2001-39056
審判1998-35048
関連ワード 考案 /  設定登録 /  新規性(3条1項) /  減縮 /  請求項 /  明細書 /  請求の範囲 / 
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事件 平成 12年 (行ケ) 226号 審決取消請求事件
原告 株式会社シコー技研
訴訟代理人弁護士 對崎俊一
訴訟代理人弁理士 守谷一雄
被告 日本電産コパル株式会社
訴訟代理人弁護士 阿部佳基
同 松留克明
同 和田信博
同 渡辺広己
同 千種道夫
同 中島麻里
同 中川豊
訴訟復代理人弁護士 野中武
訴訟代理人弁理士 大塚康徳
同 丸山幸雄
裁判所 東京高等裁判所
判決言渡日 2001/08/09
権利種別 実用新案権
訴訟類型 行政訴訟
主文 1 特許庁が平成10年審判第35048号事件について平成12年5月8日にした審決を取り消す。
2 訴訟費用は原告の負担とする。
事実及び理由
全容
1 原告の請求 (1) 主文1項と同旨。
(2) 訴訟費用は被告の負担とする。
2 当事者間に争いのない事実 (1) 特許庁における手続の経緯 原告は,考案の名称を「位置検知素子1個の一相のディスク型ブラシレスモータ」とする登録番号第2045509号の登録実用新案(昭和58年3月2日実用新案登録出願,平成7年1月11日設定登録,以下「本件登録実用新案」といい,その考案を「本件考案」という。)の実用新案権者である。
平成10年2月3日,本件登録実用新案の登録を無効にすることにつき審判が請求され,特許庁は,これを平成10年審判第35048号事件として審理した結果,平成12年5月8日,「登録第2045509号実用新案の登録を無効とする。」との審決をし,同年5月31日に,その謄本を原告に送達した。
(2) 審決の理由 審決の理由は,要するに,本件登録実用新案の登録は,実用新案法3条1項3号の規定に違反してなされたものであるから,同法37条1項の規定により,これを無効とすべきである,とするものである。
(3) 原告は,本訴が係属中の平成13年4月10日に本件登録実用新案の出願の願書に添付された明細書の訂正をすることについて審判を請求し,特許庁は,これを訂正2001-39056号事件として審理した結果,平成13年6月1日に上記訂正をすることを認める旨の審決(以下「訂正審決」という。)をし,これが確定した。
(4) 訂正審決による訂正の内容 (ア) 訂正審決による訂正前の実用新案登録請求の範囲(請求項1)は,次のとおりである。
「隣配置の磁極が異極となるようにN極,S極の磁極を複数組備えて形成した界磁マグネットを回転子として備え,該界磁マグネットと軸方向の空隙を介して対向する固定側の同相位置にのみ1以上の空心型電機子コイル群を1相配置に設けて固定側コアレス電機子を形成し,上記電機子コイルの発生トルクに寄与する導体部若しくは該導体部と同相位置の固定側位置に上記界磁マグネットの磁極を検出する1個の位置検知素子を設けると共に,上記固定側コアレス電機子の下部にステータヨークを配設してなる位置検知素子1個の一相のディスク型ブラシレスモータにおいて,上記ステータヨークにトルクの発生する位置よりも,上記回転子の回転方向とは反対方向に進んだ位置に位置検知素子が1個でも上記回転子が一方向に自起動回転できるようにするための自起動用のコギングトルクを発生させることができる幅の切欠部若しくは凹部を形成していることを特徴とする位置検知素子1個の一相のディスク型ブラシレスモータ。」 (イ) 訂正審決による訂正後の実用新案登録請求の範囲(請求項1)は,次のとおりである(請求項1の「切欠部若しくは凹部」を「切欠部」と訂正した。)。
「隣配置の磁極が異極となるようにN極,S極の磁極を複数組備えて形成した界磁マグネットを回転子として備え,該界磁マグネットと軸方向の空隙を介して対向する固定側の同相位置にのみ1以上の空心型電機子コイル群を1相配置に設けて固定側コアレス電機子を形成し,上記電機子コイルの発生トルクに寄与する導体部若しくは該導体部と同相位置の固定側位置に上記界磁マグネットの磁極を検出する1個の位置検知素子を設けると共に,上記固定側コアレス電機子の下部にステータヨークを配設してなる位置検知素子1個の一相のディスク型ブラシレスモータにおいて,上記ステータヨークにトルクの発生する位置よりも,上記回転子の回転方向とは反対方向に進んだ位置に位置検知素子が1個でも上記回転子が一方向に自起動回転できるようにするための自起動用のコギングトルクを発生させることができる幅の切欠部を形成していることを特徴とする位置検知素子1個の一相のディスク型ブラシレスモータ。」3 当裁判所の判断 上記当事者間に争いのない事実によれば,本件登録実用新案の請求項1については,実用新案法3条1項3号の規定に違反して登録された実用新案であることを理由に実用新案登録を無効とした審決の取消しを求める訴訟の係属中に,当該実用新案に係る実用新案登録請求の範囲減縮を含む訂正の審決が確定したということになり,審決は,結果として,判断の対象となるべき考案の要旨の認定を誤ったものとなる。この誤りが審決の結論に影響を及ぼすことは明らかである。したがって,審決は取消しを免れない。
4 以上によれば,本訴請求は理由がある。そこで,これを認容し,訴訟費用の負担については,原告に負担させるのを相当と認め,行政事件訴訟法7条,民事訴訟法62条を適用して,主文のとおり判決する。
裁判長裁判官 山下和明
裁判官 設樂隆一
裁判官 阿部正幸
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