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関連審決 審判1999-35011
関連ワード 権利濫用(権利の濫用) /  考案 /  構造 /  進歩性(3条2項) /  請求項 /  実施例 /  容易に想到 /  公知技術 /  設計変更 /  明細書 /  請求の範囲 / 
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事件 平成 13年 (ネ) 3667号 実用新案権侵害差止等請求控訴事件
控訴人 株式会社ユタカ
訴訟代理人弁護士 佐藤泰正
同 阿部泰典
同 飯田丘
同 鈴木正勇
補佐人弁理士 志村正和
同 阪本清孝
被控訴人 イノテック株式会社
訴訟代理人弁護士 阿部佳基
同 松留克明
同 和田信博
同 渡辺広己
同 中川豊
同 野中武
補佐人弁理士 大塚康徳
同 木村秀二
同 高柳司郎
同 大塚康弘
裁判所 東京高等裁判所
判決言渡日 2002/03/14
権利種別 実用新案権
訴訟類型 民事訴訟
主文 本件控訴を棄却する。
控訴費用は控訴人の負担とする。
事実及び理由
当事者の求めた裁判
1 控訴人 (1) 原判決を取り消す。
(2) 被控訴人は、別紙物件目録1及び2記載の物件を輸入し、販売してはならない。
(3) 被控訴人は控訴人に対し、金6億5400万円及びこれに対する平成10年8月29日から支払済みに至るまで年5パーセントの割合による金員を支払え。
(4) 訴訟費用は、第1、2審とも被控訴人の負担とする。
(5) この判決は仮に執行することができる。
2 被控訴人 主文と同旨
事案の概要
本件は、ガス圧力調整器の考案に係る実用新案登録第2134718号の実用新案権(以下「本件実用新案権」といい、その実用新案登録請求の範囲第1項の考案を「本件考案」という。)を有している控訴人が、別紙物件目録1及び2記載の各物件(同目録1及び2記載の物件を、順に「被告物件1」、「被告物件2」といい、両者を併せて「被告各物件」という。)を輸入、販売している被控訴人の行為が本件実用新案権を侵害するとして、被控訴人に対し、被告各物件の輸入等の差止めと損害賠償の支払を求めた事案である。
原判決は、@本件考案は、実用新案法3条2項の無効事由を有することが明らかであるから、本件実用新案権に基づく請求は権利濫用に当たる、A被告各物件は、
本件考案の構成要件オに記載された「仕切体」を有しないから、本件考案の構成要件オを充足しない、との理由により、原告の請求はいずれも理由がないと判断して、原告の請求をいずれも棄却した。
本件において前提となる事実は、原判決事実及び理由中の「第2 事案の概要」の「1 前提となる事実」に記載のとおりであるから、これを引用する。
当事者の主張
以下のとおり、当審における当事者の主張を付加するほか、原判決「事実及び理由」中の「第2 事案の概要」の「2 争点」に記載のとおりであるから、これを引用する。
1 当審における控訴人の主張の要点 (1) 弁論主義違反 原審において、被控訴人は、本件実用新案権に基づく請求が権利濫用に当たる旨の主張を提出していない。のみならず、被控訴人は、乙1号証、乙6号証及び乙17号証から当業者が本件考案を極めて容易に考案し得るという具体的な無効事由についての主張も行っていないし、無効事由のあることが「明らかである」との主張も行っていない。
このように原判決は、当事者が弁論において主張していない事実を認定し、それに基づき控訴人(原告)の請求を棄却したものであり、弁論主義に違反することが明らかであるから、取り消されるべきである。
(2) 権利濫用の判断の誤り ア 無効理由の不存在 (ア) 原判決は、乙17号証(USP4744387号明細書)に記載された発明と本件考案とは、以下の相違点@、Aにおいて相違するが、それ以外の点では同一である(原判決13頁6行ないし15行)と認定した上、相違点@、Aについて、以下のとおり判断し、本件考案が実用新案法3条2項の無効事由を有することが明らかであるとしたが、誤りである。
相違点@ 「本件考案が、弁シートをハウジングに別体に形成して備え、ダイヤフラム室を介してガス流入口とガス流出口とを連通する仕切体を設けたのに対し、上記発明(注、乙第17号証記載の発明)がリング形弁座(弁シート)を部品11(ハウジング)に一体的に形成し、仕切体を備えていない点」 相違点A 「本件考案の第1調整スプリング、第2調整スプリングが箱体を介してそれぞれ設けられているのに対し、上記発明が距離ばね(第1調整スプリング)を底部ばね案内と上方ばね案内との間に、ポペットばね(第2調整スプリング)を距離ばね(第1調整スプリング)内方に位置する上下の固定物の間に配置した点」 相違点@の判断 「相違点@については、乙1号証(USP4807849号明細書)には、本件考案が属する技術分野であるガス圧力調整器において、シール(弁シート)をハウジングとは別体のものとして備え、このシールを流体通路を有するコンプレッションメンバーで保持する構成が示されているところ、この構成を、同一の技術分野に属する乙17号証(USP4744387号)記載の発明に適用することは、当業者であれば極めて容易に想到できるといえる。」 相違点Aの判断 「相違点Aについては、乙6号証(実願昭59-152387号のマイクロフィルム)には、ダイヤフラムの反弁体側のボデー(カバー)内に配置された係合部を有するばね受け具(箱体)を介してダイヤフラムを弁体方向に付勢する弁ばね(第1調整スプリング)と反弁体方向に付勢する感温ばね(第2調整スプリング)を配置するとの本件考案の第1調整スプリングと第2調整スプリングの配置構成と共通する構成が示されている。この構成を、乙17号証(USP4744387号明細書)記載の発明に適用することは、当業者であれば極めて容易に想到できるといえる(なお、同考案はインクジェットプリンタのプリント用インクの加圧力を自動的に調整するための圧力制御装置ではあるが、「流体」の圧力制御装置に関するものであり、同一の技術分野に属するものということができる。)。」 (イ) 相違点@について 乙1号証記載の発明においては、図1に示されるように、コンプレッションメンバー(仕切体)(注、コンプレッションメンバー(圧縮部材)は、装置2のシール3上に位置し、第一表面4と第二表面5を有し、中心軸線8に沿って流体通路7が形成されており、外側に突出する環状アームには4本の流体通路16がある。)は、押し付けリング20がねじ切りナット21により固定されて加重されることによってはじめてその機能を発揮することができるものである。乙1号証の発明から単にコンプレッションメンバー(仕切体)によりシールを保持する構成のみを取り出して、乙17号証記載の発明に適用することができるものではない。また、乙1号証記載の発明のコンプレッションメンバー(仕切体)でシールを保持する構造は、ばね27を弁室内に設置することを前提とするものであって、ばね27を弁室から出して設置する場合にまで適用し得るものではない。
(ウ) 相違点Aについて 本件考案の第2調整スプリングは弁体を反弁体方向に付勢するために配置されているのであり、単に第1調整スプリングの付勢力を調整するために設置されているものではない。これに対して、乙6号証記載の考案の感温ばね19は、弁ばね16の付勢力を調整するためだけに作用するものであり、弁体を反弁体方向に付勢するものではない。両者は、その目的、作用が異なっており、感温ばね19は第2調整スプリングに相当するものではない。したがって、乙6号証に相違点Aに係る構成が示されているとはいえない。
しかも、乙6号証の考案においては、弁体を反弁体方向に付勢するばね14が必須なのであり、同号証の構成から圧力調整を行う構成であるばね受け具、感温ばね19及び弁ばね16だけを取り出して、他の発明に適用することはできない。さらに、感温ばね19の受け座である係合部22はボデー2自身に設けられているから、このままの構造では、本件発明のものに感応ばね19を配置することは物理的に不可能である。
本件考案は、第2調整スプリングのスプリング受け座をカバーとは独立した部材としたことによって、組立・製造の容易性等の優れた効果を奏する。このような効果は仮に乙17号証記載の発明に乙6号証に開示されたものを組み合わせたとしても、得られるものではない。
イ 無効理由の存在することが明らかであるとはいえないこと 最判平成12年4月11日(民集54巻4号1368頁)に判示された「無効理由が存在することが明らかであるとき」とは、誰が判断しても確実に無効理由があると認められるような場合に限られるべきである。本件考案の無効理由は、進歩性についてのものであり、その判断は無効理由の中でも最も困難なものであるから、
その判断は無効審判に委ねられるべきであり、安易に侵害訴訟の裁判所において、
手続的制約もなく審理判断することを許すべきでない。
(3) 構成要件オの充足性 ア 原判決は、本件考案の「仕切体」の意義が不明瞭であるとして、本件明細書の記載を参酌し、「仕切体」を「ハウジングに固着されたもの」と限定して解釈した。しかし、「仕切体」という部材の名称は適当でないとしても、当業者は、
本件明細書(甲1の2)の記載から「仕切体」が弁シートを押さえる作用をする部材であることを容易に理解することができるから、「仕切体」の意義は明瞭である。「仕切体」という名称自体に特別な意義はなく、具体的に仕切る対象や仕切る方法は本件考案においては問題にならないのであるから、その点が明細書に記載されていないからといって、「仕切体」が不明瞭であるということにはならない。したがって、「仕切体」を、「ハウジングに固着されたもの」という限定を付けて理解することは誤りである。
イ 仮に「仕切体」に「ハウジングに固着されたもの」という限定をつけても、本件考案における「固着」は接着剤やねじ込み等で物理的に固定し剥がれないような状態にすることを意味するものではなく、装置が組み上がった状態において、上から力が「仕切体」に加えられることにより、「仕切体」の中央下に配置された「弁シート」がハウジングに押しつけられて、密着して固定される状態を意味する。被告各物件は、「コンプレッションメンバー(13X、13Y)」が「シート部(15X、15Y)をベース(1X、1Y)のうち流体流入通路(3X、3Y)の先端開口を形成する部分に押しつけ固定」することによって、コンプレッションメンバーの中央下に配置されたシート部がベース上に密着して固定され動かない状態になるから、「ハウジングに固着された仕切体」の構成を備えるものである。
2 被控訴人の反論の要点 (1) 被控訴人(被告)は、原審において「権利濫用」の用語は用いなかったものの、本件実用新案登録に無効理由があることを主張、立証している。すなわち、
被控訴人は、原審において、出願前に存在していた公知技術を立証するものとして、乙1号証(USP4807849号明細書)、乙6号証(実願昭59-152387号のマイクロフィルム)、乙17号証(USP4744387号明細書)を含む多数の公知文献を提出し、また、被控訴人が特許庁に対し本件実用新案登録の無効審判請求を申し立てた事実を主張し、その証拠(乙2号証、無効審判請求書)も提出している。
また、権利濫用などの一般条項については、それらの評価の対象となる具体的事実が主要事実として弁論に顕出されていれば足りると解されるところ、被控訴人は本件実用新案権に無効理由があることを基礎づける具体的な事実を乙号証をもって顕出していた。
(2) 権利濫用の判断について 控訴人の主張は争う。
ア 無効理由の存在 本件考案に明らかな無効理由があるとした原審判断は正しい。
(ア) 相違点@について 乙17号証記載の発明に乙1号証の構成を適用することは、当業者が極めて容易に想到し得ることである。
(イ) 相違点Aについて 乙6号証に開示された重要な点は、互いに反対方向に作用する弁ばね(第1調整スプリング)と感温ばね(第2調整スプリング)を本件考案の箱体と同じ構成のばね受け具20により支持した構成にあり、上記構成を乙17号証記載の発明に適用することは、当業者が極めて容易に想到し得たことである。第2調整スプリングが感温ばねか否か、弁体を反弁体方向に付勢するか否かの議論は無効理由の存否に何ら影響を及ぼすものではない。
控訴人は乙17号証記載の発明に乙6号証の考案の「感温ばねを配置することは物理的に不可能である。」と主張するが、例えばボデー2をばね受け具22の上端で上下に分割し、固定するなどの構成によって感温ばね19(第2調整スプリング)をボデー2内部に配置する程度のことは、容易な設計変更であり、格別の支障なく実施することができるものである。
(3) 構成要件オの充足性に対して 控訴人の主張は争う。「固着」とは、辞典によると、「ある物がある物に物理的に固定しはがれない状態」を意味するのであって、「力が加えられて・・・押しつけられて密着するようなもの」を「固着」ということはできない。
イ 無効理由が存在することの明白性 控訴人の主張は争う。
当裁判所の判断
当裁判所も控訴人の請求はいずれも棄却すべきものと判断する。その理由は、次のとおりである。
1 弁論主義違反の主張について 原審記録及び当審における弁論の全趣旨によれば、本件訴訟が原審に係属していた平成12年4月11日に最高裁判決が出されたこと、原審において、被控訴人は、本件考案について平成10年12月29日付けで無効審判を請求したことを主張するとともに(被告準備書面(四))、その審判請求書写及び無効主張を理由づける公知文献等を証拠として提出し、審決確定まで訴訟手続の中止を求める申立てをしていたこと、第12回弁論準備手続(平成12年3月28日)以降、和解による解決が打診されたが、被控訴人は、和解金として名目的な額の支払にのみ応じる旨の意向を表明していたこと、被控訴人の平成13年2月21日付け証拠説明書には、立証趣旨として「本件考案優先日(平1.3.28)前に公知技術が存在していた事実」(乙2号証)、「本件考案の優先日前に公知技術を利用したフロロカーボン社のレギュレータが、遅くとも1986年には日本国内で販売されていた事実」(乙18ないし28号証)、「本件考案の優先日前に、ベリフロコーポレーションが本件考案に関する公知技術を利用したレギュレータを製造・販売していた事実」(乙31号証)と記載していること、一方、控訴人も、上記公知文献等が無効主張を理由あらしめるものではない旨争っていたことが認められる。
以上の経過に照らすと、被控訴人は、原審において、権利濫用という用語は用いなかったものの、本件考案は明らかな無効理由を有する旨の主張及び具体的な無効理由についての事実の主張をしていたものと認められる。さらに、被控訴人は、当審において原判決説示の権利濫用の点を援用していることが明らかであり、当審口頭弁論終結までに、控訴人の本訴請求は権利の濫用に当たるとの主張をしているものである。
したがって、原判決に弁論主義違反の違法があるとする控訴理由は理由がない。
2 権利濫用について 当裁判所も以下の3のとおり、本件実用新案権には無効理由があることが明らかであると判断する。なお、「無効理由があることが明らか」であるとは、侵害事件を審理する裁判所において「無効理由があることが明らか」であると判断し得る程度の明白性があることをもって足り、控訴人が主張するように無効理由の存在が何人の目にも疑問の余地なく明らかであるという意味での明白性まで要求されるものではないというべきである。
3 本件考案の無効理由について (1) 原判決が、本件考案は乙17号証記載の発明及び乙1、乙6号証に開示された構成(別紙本件考案第1図、乙17号証図FIG1、乙1号証図1及び乙6号証第1図参照)に基づいて当業者が極めて容易に想到し得たものであるとした判断及びその理由は、相当としてこれを是認することができる。なお、被控訴人が請求した本件実用新案権についての無効審判請求事件(平成11年審判第35011号)において、平成13年5月1日、原判決と大要同旨の理由により、実用新案登録を無効とするとの審決がなされている。
(2) 相違点@について、控訴人は、乙1号証記載の発明においてコンプレッションメンバー(本件考案の〔仕切体〕に相当する。以下、〔 〕内は対応する本件考案の部材名称)によりシール〔弁シート〕を保持するためには、コンプレッションメンバーを押し付けるリング20が不可欠であり、コンプレッションメンバー〔仕切体〕によりシールを保持する構成だけを取り出して乙17号証記載の発明に適用することはできない旨主張する。しかし、乙1号証に、ガス圧力調整器においてシール〔弁シート〕をハウジングとは別体のものとして備え、このシールをコンプレッションメンバー〔仕切体〕で保持する構成が示されていることは、明らかであり、また、コンプレッションメンバーを押し付ける部材は、コンプレッションメンバーがシールを保持するという機能を発揮することができれば足りることも、当業者が極めて容易に看取し得ることであって、これらの点からすれば、乙1号証記載の発明からコンプレッションメンバー〔仕切体〕によりシールを保持する構成だけを取り出して乙17号証記載の発明に適用することはできないとの控訴人主張は当を得ないといわざるを得ない。そして、乙17号証記載の考案における可撓性隔膜〔ダイヤフラム〕を挟んでいる部材11〔ハウジング〕と部材12〔カバー〕との間に、乙1号証のコンプレッションメンバーでシールを保持する構成を適用することができないとする理由も見当たらない。
また、控訴人は、乙1号証の構造は、ばね27を弁室内に設置することを前提とするものであるから、ばね27を弁室から出して設置する場合には適用することができないと主張するが、乙1号証の構造は必ずしもばね27を弁室内に設置することをを前提とするものと認めることはできないから、この点に関する控訴人の主張は採用することができない。
(3) 相違点Aについて、控訴人は、乙6号証の感温ばね19は、弁ばね16〔第1調整スプリング〕の付勢力を調整するためだけに作用し、弁体を反弁体方向に付勢するものではないから、本件考案の第2調整スプリングに相当するものではなく、乙6号証に相違点Aに係る構成が示されているとはいえないと主張する。なるほど、乙第6号証の第1図に図示された実施例では、感温ばね19自体は弁体を反弁体方向に付勢することはできないと認められるが、同号証には「弁ばね及び感温ばねはダイアフラムを介して弁体を付勢するに限らず、弁体を直接付勢するようにしてもよい。」(乙6号証14頁12ないし14行)として、弁体7を感温ばねで付勢するという技術も記載されていることが認められ、この技術における感温ばね19は弁体を反弁体方向に付勢するという機能においては第2調整スプリングに相当するということができるから、これを前提として、乙6号証に相違点Aに係る構成と共通する構成が示されているとした原審の判断に誤りはない。このように、
乙6号証には、ばね受け具の内外にばね(弁ばね16と感温ばね19〔第1調整スプリングと第2調整スプリング〕)を配置するとの構成が示されていると認められるのであり、この構成を乙17号証記載の発明に適用することは、当業者であれば極めて容易に着想することができ、その適用に困難はないものと認められる。 また、控訴人は、乙6号証の考案において感温ばね19の受け座である係合部22がボデー2自身に設けられているから、係合部21を備えたばね受け具をボデー2に設置することは不可能であるとも主張するが、乙6号証の考案のボデー2を上下に分割すれば設置が不可能であるということはできず(乙6号証には、ボデーが一体構造のものに限定される旨の記載はない。)、本件考案についてもカバーが一体構造でなければならない必然性はない(本件考案のカバーが一体構造であることは、構成要件とされていない。)から、乙6号証の構成を乙17号証記載の発明に適用することに障害があるということはできない。
(4) 以上によれば、本件考案は、原審判断のとおり、上記各証拠に記載されたものに基づいて当業者が極めて容易に考案をすることができたものというべきであり、実用新案法3条2項の無効理由を有することが明らかである。
したがって、請求項1項に係る本件実用新案権に基づく本件請求は権利濫用に当たるので、棄却されるべきである。
4 結論 以上のとおりであるから、その余の点を判断するまでもなく、控訴人の請求はいずれも理由がない。よって、控訴人の控訴は理由がないから、本件控訴を棄却することとし、主文のとおり判決する。
裁判長裁判官 永井紀昭
裁判官 塩月秀平
裁判官 古城春実
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