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関連審決 異議1999-75012
訂正2001-39232
関連ワード 考案 /  考案者 /  図面 /  設定登録 /  進歩性(3条2項) /  先願 /  減縮 /  請求項 /  先願 /  明細書 /  請求の範囲 / 
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事件 平成 13年 (行ケ) 326号 実用新案登録取消決定取消請求事件
原告 東陶機器株式会社
訴訟代理人弁理士 松尾 憲一郎
同 内野美洋
被告 特許庁長官及川耕造
指定代理人 青山紘一
同 山口由木
同 岩崎晋
同 宮川久成
裁判所 東京高等裁判所
判決言渡日 2002/04/08
権利種別 実用新案権
訴訟類型 行政訴訟
主文 特許庁が平成11年異議第75012号事件について平成13年5月7日にした決定を取り消す。
訴訟費用は原告の負担とする。
事実及び理由
当事者の求めた裁判
1 原告 主文と同旨 2 被告 原告の請求を棄却する。
訴訟費用は原告の負担とする。
当事者間に争いのない事実
1 特許庁における手続の経緯 (1) 原告は、名称を「気泡発生浴槽」とする実用新案登録第2597297号考案(平成4年4月27日実用新案登録出願、平成11年4月30日設定登録、以下「本件考案」といい、その実用新案登録を「本件実用新案登録」という。)の実用新案権者である。
平成11年12月28日、本件実用新案登録につき実用新案登録異議の申立てがされ、平成11年異議第75012号事件として特許庁に係属したところ、
原告は、平成12年6月16日、願書に添付した明細書(以下「本件明細書」という。)の実用新案登録請求の範囲及び考案の詳細な説明の各記載を訂正する旨の訂正請求(以下「本件訂正請求」という。)をした。
特許庁は、同実用新案登録異議事件について審理した上、平成13年5月7日、「登録第2597297号の請求項1ないし2に係る実用新案登録を取り消す。」との決定(以下「本件決定」という。)をし、その謄本は同年6月21日原告に送達された。
(2) 原告は、本件決定の取消しを求める本訴提起後の平成13年12月20日、本件明細書の実用新案登録請求の範囲及び考案の詳細な説明の各記載を訂正する旨の訂正審判の請求をしたところ、特許庁は、同請求を訂正2001-39232号事件として審理した上、平成14年2月22日、上記訂正を認める旨の審決(以下「本件訂正審決」といい、本件訂正審決に係る訂正を「本件訂正」という。)をし、その謄本は同年3月5日原告に送達された。
2 実用新案登録請求の範囲の記載 (1) 本件訂正前の実用新案登録請求の範囲の記載 【請求項1】噴気ノズル(18)を浴槽本体(1)の内壁面に取付け、同噴気ノズル(18)に噴気配管(13)の一端を連通連結し、同噴気配管(13)の他端をコンプレッサ(C)に連結した気泡発生浴槽(A)において、
上記噴気ノズル(18)の先端に噴気方向を変更できるように構成したノズルカバー(18c)を設け、空気を浴槽本体(1)の内側壁面に沿って放射状に噴出可能としたことを特徴とする気泡発生浴槽。
請求項2】噴気ノズル(18)の開口部に、浴槽本体(1)内の浴湯が噴気配管(13)中に逆流することを防ぐための逆止弁(19)を設けたことを特徴とする請求項1記載の気泡発生浴槽。
(2) 本件訂正によって訂正された実用新案登録請求の範囲の記載(注、訂正部分を下線で示す。) 【請求項1】噴気ノズル(18)を浴槽本体(1)の内壁面に取付け、同噴気ノズル(18)に噴気配管(13)の一端を連通連結し、同噴気配管(13)の他端をコンプレッサ(C)に連結した気泡発生浴槽(A)において、
上記噴気ノズル(18)を、噴気配管 (13 )に連通連結 した ノズル 本体(18 a) と、同ノズル 本体 (18 a) に基端部 が連通 し、先端部 が浴槽本体(1)を貫通 する 噴流形成部 (18 b) と、同噴流形成部 (18 b) の鍔部 に螺着した ノズルカバー (18 c) とから 構成 し、同ノズルカバー (18 c) の周縁部 に複数個 の噴気孔 (18 d) を円周方向 に間隔 をあけて 設け、空気を浴槽本体(1)の内側壁面に沿って放射状に噴出可能としたことを特徴とする気泡発生浴槽。
請求項2】(同上) 3 本件決定の理由 本件決定は、@上記実用新案登録異議事件が特許庁に係属中に原告がした本件訂正請求に係る訂正の適否に関し、当該訂正後の明細書の実用新案登録請求の範囲請求項1記載の考案は、本件考案の出願の日の前の出願であってその出願後に公開された実願平3-14725号(実開平4-104838号)の願書に最初に添付された明細書及び図面(以下「先願明細書」という。)に記載の考案と同一であり、かつ、本件考案考案者は上記先願考案者と同一の者でなく、本件考案の出願時の出願人と先願の出願人とが同一の者でもないから、当該訂正は、旧実用新案法(「平成6年法律第116号附則9条2項」の趣旨と解される。)及び特許法120条の4第3項において順次準用する旧特許法126条3項(「平成6年法律第116号による改正前の特許法126条3項」の趣旨と解される。)の規定に適合しないので認められないとし、A本件考案の要旨を上記2(1)のとおり認定した上、その請求項1に係る本件考案先願明細書記載の考案と同一であり、かつ、本件考案考案者は上記先願考案者と同一の者でなく、本件考案の出願時の出願人と先願の出願人とが同一の者でもないから、本件考案は、実用新案法3条の2の規定により実用新案登録を受けることができないものであり、本件実用新案登録は、
拒絶の査定をしなければならない実用新案登録出願に対してされたものであるから、特許法等の一部を改正する法律の施行に伴う経過措置を定める政令(平成7年政令第205号)3条2項の規定により、取り消されるべきものとした。
当事者の主張
1 原告 本件決定が、本件考案の要旨を本件訂正前の実用新案登録請求の範囲の記載のとおり認定した点は、本件訂正審決の確定により実用新案登録請求の範囲の記載が上記のとおり訂正されたため、誤りに帰したことになる。そして、この瑕疵は本件決定の結論に影響を及ぼすものであるから、本件決定は違法として取り消されるべきである。
2 被告 本件訂正審決の確定により実用新案登録請求の範囲の記載が上記のとおり訂正されたことは認める。
当裁判所の判断
本件訂正審決の確定により、実用新案登録請求の範囲の記載が上記のとおり訂正されたことは当事者間に争いがなく、この訂正によって実用新案登録請求の範囲減縮されたことは明らかである。
そうすると、本件決定が、本件考案の要旨を本件訂正前の実用新案登録請求の範囲のとおりであると認定したことは、結果的に誤りであったことに帰する。そして、これが本件決定の結論に影響を及ぼすことは明らかであるから、本件決定は、瑕疵があるものとして取消しを免れない。
よって、原告の請求は理由があるから認容し、訴訟費用は、原告の申立て等本件訴訟の経過にかんがみ、原告に負担させることとして、主文のとおり判決する。
裁判長裁判官 篠原勝美
裁判官 長沢幸男
裁判官 宮坂昌利
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