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事件 平成 14年 (ネ) 1797号 損害賠償請求控訴事件
控訴人(1審原告) A(以下「原告」という。)
被控訴人(1審被告) B(以下「被告B」という。)
被控訴人(1審被告) タイホー工業株式会社(以下「被 告タイホー」という。)
上記両名訴訟代理人弁護士 村林隆一
被告タイホー補佐人弁理士 福田賢三
裁判所 大阪高等裁判所
判決言渡日 2003/01/16
権利種別 実用新案権
訴訟類型 民事訴訟
主文 1 本件控訴を棄却する。
2 原告の当審における追加請求を棄却する。
3 当審における訴訟費用は,すべて原告の負担とする。
事実及び理由
控訴の趣旨等
1 原判決を取り消す。
2 被告タイホーは、原告に対し,520万円を支払え。
3 被告Bは、原告に対し,520万円を支払え。
(当審における追加請求) 4 被告タイホーは,別紙物件目録記載の商品を製造し,販売してはならない。
5 訴訟費用は,1,2審とも被告らの負担とする。
6 上記2,3項につき仮執行宣言
事案の概要
1(1) 本件は,いずれもエアーノズルからエアーを噴出することによって前面ウインドガラスの前方にエアーカーテンを形成する車両のエアーワイパーに関する実用新案権及び特許権の権利者である原告が,@ 被告タイホーに対しては,同被告において,「クリンビュー」なる商標を付した商品(以下「被告タイホー商品」という。)を製造,販売したことが上記実用新案権又は特許権を侵害すると主張して,不法行為又は不当利得に基づく損害賠償等を請求し,A 被告Bに対しては,同被告は上記実用新案登録出願の代理人であったところ,その際に原告が同被告に対して開示したアイデアを第三者に漏洩し,被告タイホーにおいてそのアイデアに基づく特許権の登録をすること等に加功したなどと主張して,不法行為又は不当利得に基づく損害賠償等を請求した事案である。
(2) 原審は,前項@,Aの各請求について,いずれも棄却したので,原告が控訴を提起した。
(3) 原告は,当審において,被告タイホーに対し,別紙物件目録記載の商品の製造,販売を差し止める旨の請求を追加した。
2 当事者の主張は,次のとおり付加,訂正等するほかは,原判決「事実及び理由」中の「第2 当事者の主張」(1頁23行目から3頁25行目)に記載のとおりであるから,これを引用する。
(1) 1頁23行目を削り,同24行目冒頭の「1」を「2」と,3頁9行目冒頭の「2」を「3」と,同20行目冒頭の「3」を「4」と各改める。
(2) 2頁4行目,同5行目,同7行目の各「「クリンビュー」と称する商品」,3頁12行目の「「クリンビュー」商品」,同18行目の「商品「クリンビュー」」を,いずれも「被告タイホー商品」と改める。
(3) 2頁4行目の「販売」の前に「製造,」を加える。
(4) 2頁11行目の「120万円」の次に「又はそれらの合計額と同額の不当利得返還金を請求するとともに,別紙物件目録記載の商品の製造,販売の差止め」を加える。
(5) 3頁3行目の次に改行の上,次のとおり加え,同4行目冒頭の「ウ」を「エ」と,同7行目冒頭の「エ」を「オ」と,同22行目の「同イ〜ウ」を「同イ〜エ」と各改める。
「ウ 被告Bは,亡Dと結託して,平成3年12月12日に原告実用新案権の登録料のうち「第10年分」を故意に支払わず,権利を失効させた。」 (6) 3頁7行目から8行目にかけての「金520万円」を「520万円又は同額の不当利得返還金」と改める。
当裁判所の判断
当裁判所も,原告の本件各請求(当審における追加請求を含む。)はいずれも理由がないものと判断する。その理由は,次のとおり付加,訂正等するほかは,原判決「事実及び理由」中の「第3 当裁判所の判断」(4頁1行目〜7頁1行目)に記載のとおりであるから,これを引用する。
1 4頁3行目,同6行目,同12行目から13行目にかけての「「クリンビュー」と称する商品」を,いずれも「被告タイホー商品」と改める。
2 4頁6行目の「被告」を「被告タイホー」と改める。
3 4頁21行目の次に改行の上,次のとおり加える。
「 なお,原告の主張は,後記2の(2)イ,ウ,エ記載のアイデアが原告実用新案権又は原告特許権の技術的範囲の内容をなすとの前提の下に,被告タイホー商品がこれらの権利を侵害しているというにあるものとも解されるが,上記アイデアについては,原告実用新案登録請求の範囲及び原告特許請求の範囲中に何ら記載されていないのみならず(原判決別紙1及び2),原告実用新案権の実用新案公報(甲2の1)及び原告特許権の特許公報(甲3の1)の考案又は発明の詳細な説明等の中にも,わずかに「このような機械式のワイパを用いた…場合には、前面ウインドガラスに油膜が付着しやすいと云う欠点もあり」(実用新案公報2欄1行〜6行)とか,「そのような機械式のワイパでは前面ウィンドガラス外表面に油膜が付着し易いという欠点もある」(特許公報3欄17行〜19行)等の記載があるだけで,その構成等に関する具体的な記載も認められないから,上記アイデアが原告実用新案権等の技術的範囲の内容をなしているものと解することはできず,その点でも,原告の主張は前提を欠くものといわざるを得ない。」 4 4頁22行目を次のとおり改める。
「(3) 以上によれば,原告主張に係る原告実用新案権等の侵害の事実は認めがたく,したがって,これを前提とすることが明らかな原告の被告タイホーに対する請求(損害賠償請求又は不当利得返還請求並びに差止め請求)は,いずれも理由がない。」 5 6頁2行目の「表される」を「表わされる」と改める。
6 7頁1行目の次に改行の上,次のとおり加える。
「 (4) また,原告は,被告Bが,亡Dと結託して,平成3年12月12日に原告実用新案権の登録料のうち「第10年分」を故意に支払わず,権利を失効させた旨主張しているところ,甲2の2によれば,原告実用新案権は,平成5年2月25日付けで,平成3年12月13日第10年分登録料不納を原因として抹消登録がなされていることが認められる。
しかしながら,甲11の2のうち弁理士D作成に係る「書類送付の件」と題する書面及び甲11の3の特許庁作成に係る「第9年分」の登録料の領収書によれば,当時,弁理士であるDが原告実用新案権の登録料の納付にかかわっていたことは窺われるものの,被告Bが「第10年分」の登録料等の納付にどのようなかかわりをもっていたか等の具体的な事情を示す証拠が提出されていない上,本件の訴状においては,「第10年分」の登録料に関する主張はDとの関連でのみ記載されていたこと等の経緯に照らしても,この点に関する原告の主張も採用できないものというほかない。
(5) 以上によれば,原告の被告Bに対する請求(損害賠償請求又は不当利得返還請求)も,いずれも理由がない。
3 その他,原審及び当審における当事者提出の各準備書面記載の主張に照らし,原審で提出,援用された全証拠を改めて精査しても,引用に係る原判決を含め,当審の認定,判断を覆すほどのものはない。」
結論
以上によると,原告の請求は,当審における追加請求を含め,いずれも理由がない。
よって,本件控訴及び当審における追加請求をいずれも棄却することとして,主文のとおり判決する。
(平成14年11月29日口頭弁論終結)
裁判長裁判官 竹原俊一
裁判官 小野洋一
裁判官 黒野功久
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