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事件 |
平成
15年
(ネ)
913号
不当利得返還請求控訴事件
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控訴人(原告) A 訴訟代理人弁護士 真木吉夫 被控訴人(被告) 株式会社エヌ・ティ・ティ・テレカ 訴訟代理人弁護士 本間崇復代理人弁護士 田中成志 補佐人弁理士 蟹田昌之 |
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裁判所 | 東京高等裁判所 |
判決言渡日 | 2003/08/26 |
権利種別 | 実用新案権 |
訴訟類型 | 民事訴訟 |
主文 |
本件控訴を棄却する。 控訴費用は控訴人の負担とする。 |
事実及び理由 | |
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控訴人の求めた裁判
控訴人は,原判決を取り消すとの判決とともに,原判決事実及び理由欄の「第1 請求」に記載のとおりの金銭支払命令の判決を求めた。 |
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請求及び事案の概要
1 控訴人は,本件実用新案権(登録番号・第2150603号,「テレホンカード」,平成11年9月5日存続期間満了)に基づき,存続期間中における被告物件(原判決別紙被告物件目録記載のテレホンカード)の製造,販売がその侵害に当たると主張して,被控訴人に対し損害賠償金の支払を請求したのに対し,原判決は請求を棄却した。 2 事案の概要は,原判決事実及び理由欄の「第2 事案の概要」に示されているとおりである。 |
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当裁判所の判断
1 当裁判所も,原判決事実及び理由欄の「第3 当裁判所の判断」に示されているのと同様の理由により,控訴人の本訴請求は理由がないものと判断する。 2 控訴人は,甲第7号証を新たに提出するが,これは,本件実用新案登録出願について,拒絶査定を取り消し,本件考案は実用新案登録すべきものとする,とした審決写しであり,原審においても乙第20号証として既に提出されていたものである。この審決においては,原判決9頁の「c」において引用されている平成11年10月28日付け本件考案の出願人の意見書記載を援用して,本件考案の登録出願は実用新案法5条4項及び5項の要件を満たしていないとはいえないと判断され,また,本件考案は,指示部をカード本体の直交する2つの中心軸線のそれぞれから一側にずれて配置されており,かつ,目の不自由な者がカード本体を電話機に差し込む際,目の不自由な者の指が触れる位置と限定した点で,原出願考案と相違する,と判断されている。 このように,本件考案を登録すべきものとした審決においても,本件考案の構成要件Cにおける「カード本体の外周縁からカード本体の内方向にくぼん」だ「該指示部」の意義は,「テレホンカードを側面からみて上下面から厚み方向(表裏方向)に凹凸状にくぼんだ形状を有する指示部」に限定され,「カードを平面方向からみて中心方向にくぼんだ形状を形成した切欠部」や「カード本体に貫通して形成した穴部」を含まないとした,上記引用の原判決理由を裏付ける判断がされている。上記判断を前提として,本件考案が登録されるに至っていることは明らかである。 3 その他,控訴人が当審において主張するところは,すべて上記判断を左右するものではない。 |
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結論
よって,本件控訴は棄却されるべきである。 |
裁判長裁判官 | 塚原朋一 |
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裁判官 | 塩月秀平 |
裁判官 | 古城春実 |